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MONOローグ~夢なき子~  作者: 雨薫 うろち
西帝国動乱編
12/363

12.先輩【兵士】

 余りにもあっさりしすぎた適正テストと頭が痛くなるようなスキル取得の所為か、今はちょっと体を動かしたい!


 五厘刈りのおっさんは見た目の割りにこちらの気持ちを汲み取ってくれるヒトなのか、


 【訓練】任務を割り振ってくれたので、北砦入り口辺りの広場へ向かう。


 すると教官のようなヒトはおらず、なんかちょっとガラの悪そうな【兵士】達がたむろしてる。


 声をかけようか迷っていると、


 「おっ?なんだ来たばかりの【熟練兵】か?んなとこ突っ立ってないで、こっち来い!【訓練】だろ?丁度俺達もその話をしてた所だ」

 

 「すみません。はじめまして。ソタローと言います」


 「おおう、そうか。なんか真面目そうな奴だな。んじゃあ新人もいる事だし、俺はこいつの実力見るわ。お前らも適当に乱取りやっとけ」


 「え?構え!振れ!とかじゃ……?」


 「ああ、そういうのは【古都】でやっとけ、ここじゃ割と実戦形式で魔物との戦い方や育てたいスキルを鍛えてるからな」


 そんなこんないきなり、一番ガラが悪そうだけど面倒見も良さそうな【兵士】と打ち合うことになった。


 「おら早く打ち込んで来いよ!」


 「すみません、行きます!」


 盾を真っ直ぐ相手に向けて、剣を振り上げ、一気に振り下ろす。


 「おう、振りは悪くねぇ。どんどん来い」


 するっと軽々避けながら、そういう先輩【兵士】を横薙ぎに払えば、今度は剣で軽々と受け止められる。


 「うんうん、なるほど。じゃあ次はコレを受けろ」


 言うが早いか剣を振り下ろしてきたので、盾で受け止めたが、上手く剣が当たる寸前に剣を殴り返すようにしたので、手が痛くない。


 「ああ、なんだ……。ちょっとラフにいくから受けるなり攻撃するなり好きにやってみな」


 その後鋭くなった剣の振りと間合いの上手さにたじたじとなっている上、更には盾で強引に押し込んだところに蹴りが入る。


 それでもこちらの方が装備が明らかに重装備なので、相打ち覚悟で打ち込んでいたら、


 さっと、遠く間合いを取り直し、


 「あのよ。お前アビリティ設定して無いだろ?動きはまぁまぁ悪くないぜ。でも威力が足りないだろ」


 「確かに取ってません。何が合うのかわからないので、慎重にと思って……」


 「ああ、なるほどな。じゃあ()()()()()()()()()は取っておけよ。後()()な!」


 「え?何ででしょう?」


 「気が付いてないのか……、あのな盾で攻撃を受けるとき迎え撃つように殴り返してるよな?そして剣で打つ時も一応急所は狙ってるが、まずは振って当てる事優先してるだろ?」


 「はい、まあそりゃ、そうですけど。それ以外あるんですか?」


 「色々とあるが、今のスタイルが合ってるからそういう感想になるんだろうし、試しにさっきの四つ設定してこいよ」


 よく分からないが、どうせスキルとアビリティは困っていたので、<剣>には()()を<盾>には()()()()を<鎧>には()()()を<忍耐>には()()を設定。


 戻ってきて、もう一度先輩【兵士】と打ち合うと面白いほど、相手が一瞬怯む。


 「おら、言ったろうが!お前は性格が慎重な割りにどんどん押し込んでいくタイプなんだ。重装備も合うと思うぜ。多少の被撃は気にせずガンガン押し込んでみ!」


 言われるままに押し込むように攻撃、盾の防御でも押し込み、更に先輩が蹴り使いなので真似して前蹴り。


 「なんかしっくり来ます」


 「ああ、なんかアビリティ設定してなかっただけで、スキル熟練度は溜まってんじゃねぇか?一回【教会】行って確認しろよスキル合成できるかもしれないぜ?」


 いや、まさかと思いながらも【教会】へ移動。


 いつもスキル付け替えでお世話になってる【教会】だが、北砦の【教会】は初めてだ。


 とは言え、基本は【古都】と変わらない。正面奥になんかシンボルみたいなのがあって、その前に神官さんが立っている。


 「すみません、スキルの合成をしたいのですが」


 「分かりました。簡単に説明しますと、ある程度熟練したスキルを複数合成可能です。それによりスキルのセットに余裕が出来ますが、一時的にそれまで溜まった熟練度は減少します。二つ合成なら1/2、三つなら1/3といった所ですね。そして合成した後の熟練度の溜まり方も同様に遅くなっていきます」


 「そうですか、分かりました。ありがとうございます」


 「後は対話室で操作してみてください。因みに4つのスキルを合成するとアビリティを二つ選べます。合成したスキルは再度分解したりは出来ませんので、十分に気をつけて操作してくださいね」


 という事なので、対話室に。


 対話室は【教会】奥の小部屋。適当に扉を開けて入っても誰かとタイミングが被った事が無いので、多分勝手に一人部屋に繋がるのだろう。


 狭い一人部屋に腰より少し高いサイズの台座、六角形のセット枠にスキルパネルを乗せる事でセットできるのだが、今回は合成!


 六角形のくぼみの横に表示される文字が、日本語で書いてある!


 【座学】の時とかなんかゲーム内の特殊文字で<言語>が無いと読めないのに!


 って当たり前か<言語>が無ければスキル合成出来ないなんて、プレイヤー全員<言語>必須になっちゃうじゃん。


 <位取り>・・・()()+()()()()+()()()+()()


 先輩……ビンゴです。あれか教官でこそ無いけど【訓練】NPCだからある程度その辺りアドバイスしてくれるキャラなのかな?


 説明を見る限り、打ち合いで圧力をかけていくスタイルらしい。自分は別に他人に圧とか掛けないけどな?


 アビリティは、


()()・・・防御貫通ダメージ量上昇

()()・・・怯ませ効果上昇


 うん、やっぱりもうちょっとアビリティ取得は前向きに考えないと。

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― 新着の感想 ―
[一言] 行動で、ある程度、性格は見えちゃうんだね~ゲームだから 無意識の意識を先輩に見られてしまった(//∇//)きゃ~
[良い点] NPCがアドバイスくれるのか [一言] 慎重すぎるw
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