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MONOローグ~夢なき子~  作者: 雨薫 うろち
西帝国動乱編
119/363

118.楔の試練二つ目

 迷ったが、ここは一回潜ってみよう。


 多分まずは試練からだし、試練を乗り越えられなければ出直せばいい。


 楔を打ち込めば、現れる地下への階段。


 趣は殆ど変わらない地下の建物。中に入ればやはり正面には氷の壁。


 文字が浮いているが、やっぱり読めない!気になる……。やっぱり出直そうか迷ったが、まあやっちゃうかと、氷の壁に触れる。


 割れた氷が氷像を形作るが、今回は……でかい。


 天井ギリギリサイズの氷像が振るってきた拳をギリギリの所で避けたが、こりゃ手に負えない。


 一旦退避と思った瞬間。氷像に突き立つボウガンの矢。


 そして、疾風のように駆け寄ってサーベルで氷像の足を斬り砕いてしまうカヴァリーさん。


 本当にシェーベル乗らなくても早いよなこの人。


 そして、次の矢が突き立ちひびの入った腕も斬り砕いてしまう。


 「かなり脆いからすぐに再生するタイプなの。動けないように砕きまくるの!」


 一瞬で状況を把握からの的確な指示。ビエーラさんは本当に戦闘経験豊富だな~。


 ヒット&アウェイとばかりに相手の攻撃をかわす為引いたカヴァリーさんのスピードに、自分は全く追いつけないので、やむをえず盾で迎え打つ。


 「多分一番固い場所が核のある場所になります。まずは固い場所を探しましょう!」


 「分かったの!」


 そう言って、ボウガンに何かのアタッチメントを取り付けるビエーラさん。


 そして時間を稼ぐ為に自分とカヴァリーさんの攻勢。


 足や腕の末端は取り敢えず脆いので、どんどん崩して相手の攻撃ターンを減らす。


 自分の武器は重剣なので、あっさり砕けるのは分かるし、ビエーラさんのボウガンも半端な威力じゃないのは分かるけど、何でカヴァリーさんは片手で軽々扱えるサーベルであんな攻撃力出るんだ?


 「シェーベルのスピードで斬るんだから、サーベルってのはかなり丈夫に出来てるんだよ?」


 まるで心を読んだかのような答え本当にありがとうございます。何でもお見通しだな~。


 そこで氷像の頭に突き立つボウガンの矢、そこから全身にひびが入るのはどういう原理か分からないが、丁度胴体の中心、心臓の辺りが割れない。


 ならばと、


武技 撃突


 全身で巨大な氷像を突き飛ばし、転がす。


壊剣術 天荒


 高まる剣速で、ガンガンぶっ叩く。こういう時荒っぽく扱える重剣はありがたい。


 ビエーラさんが再び何かアタッチメントを取り替えているが、自分とカヴァリーさんでどんどん氷像の体積を減らしていく。


 そして胸部に掛かり、そこからは強度が段違いだが、それでも叩けば少しづつ欠け、


 カヴァリーさんは逆に再生する末端部分を片っ端から処理してくれてる。


 胸部の真ん中に突き立つ矢。


 ビエーラさんの矢が根元まで刺し込まれ、氷像が砕け散った。


 残ったのはなんか妙にテラテラと光る破片?


 〔竜の鱗片〕だそうな。


 多分手放すとまた氷像が復活しちゃうので、握りこむと自分に丁度いいサイズの盾へと変化した。


 前は触れれば取り込まれそうになって大変だったが、今回は盾があるならコレはかなり助かる。


 「ところで、コレなんだったの?」


 「え?知らずに入ってきちゃったんですか?」


 「そりゃ、ソタロー君が何も言わずに入り込んだから、何かあったのかと思ってついてきたのさ。あの湖も瘴気が染み込んでた訳だし、きっと何か原因があると思うだろ?」


 「そりゃそうですよね。すみません説明が足りなくて。この奥は多分高濃度の瘴気ダンジョンになっていて、邪神の尖兵って言う特殊な武器じゃないと倒せない敵がいます。今回のカモノハシ?と関係があるかは分かりませんけど、自分は類似のクエストを前に受けてるので……」


 「それは、ソタローの連続クエストなの。あまり狭い所は得意じゃないけど手伝うの。でも邪神の尖兵は任せるの」


 「そうだね、確か隊長が宝剣を持って世界一周巡って倒してきた魔物だよね。残念ながら僕達は宝剣を持ってないから邪神の尖兵戦はソタロー君一人で何とかするしかないね」


 「道中手伝ってもらえるだけで凄く助かります。前は迷路のような水路跡うろうろして大変だったので」


 「分かったの。任せるの!」


 「ふむ、それで邪神の尖兵は何処にいたんだい?」


 「多分最下層と思われる広場ですね。そこが何に使われた場所なのかは全く分かりませんでした」


 二人共納得してくれたのか、試練の間の奥へと続く通路を進む。


 自分が気が付くより、圧倒的早くボウガンで天井にくっ付く魔物を撃ち落すビエーラさん。本当に頼りになるが、このままお荷物にならないように自分も頑張ろう。


 通路の奥はいつか見たのとそっくりな広間。やっぱり上は水の様だからやっぱり湖の下なのか?本当になんなんだろうかこの場所は?


 「アレだね。ここにヒトが集まってたんだろうね。周囲を取り巻くように通路があるから……」


 「それにしては変なの敢えて水を逃がすような構造って事は水に浸かる事も想定してるの」


 「上が多分湖なんですよ。ただなんで湖の下にこんな空間があるのかがよく分からないんです」


 「ふむ、水が溢れた時の貯水施設とか?」


 「でもこのゲーム始めてから結構立つけど【帝国】で嵐なんて見た事無いの」


 「確かに……。そもそも試練の間がなんか祭壇っぽいのが既に怪しげなんですよね」


 「もしかしたら、宗教施設なのかもしれないね。【帝国】土着宗教とか」


 「筋肉教なの?」


 「ああ、それについては一応白竜に関係あるそうです。どう関係あるのかはなんかいまいちよく分からないですけど」


 「白竜って【古都】に像のあるあれだね。そっかソタロー君は白竜クエストを受けてたのか」

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