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MONOローグ~夢なき子~  作者: 雨薫 うろち
西帝国動乱編
103/363

102.レギオン級一匹目討伐

 はじめはサイズの大きな虫に対する忌避感か、魔将に対する萎縮か、どうにも体が硬かった気もするが、慣れてくればなんて事無い。


 昔漫画かなんかで読んだ記憶だと、虫を人サイズにすると凄い能力なんだみたいな話があったが、冷静に考えて小さな生き物をそのまま大きくしたら、重さで動けないし、そもそも飛べない気がする。


 まあゲームなので、そんなリアルな能力じゃなく戦える程度になってますよって事だろう。


 時折下がって生命力を回復してもらい。合間を見て液薬を飲んで精神力の回復。


 そして2体目のユニオンの時に気が付いたが、どうやらこの虫の尻は蠍のように動き、先端にはハサミが付いている。


 実際一人はさまれて死に戻ってしまったが、つまりこいつはガガンボじゃない。なんていう虫なんだろうか?ログアウトしたら調べようか、でも虫って気持ち悪いしな~。


 何で虫を部下にしたんだ魔将……友達いなかったのかな?多分そうだろう。じゃなきゃさすがに虫は部下にしないって!


 そんなどうでもいい事を考えている内に数体のユニオン級を撃破。割と難易度低めに設定されてるユニオンの様で助かった。っていうかコレくらいの相手じゃないと明らかにこっちの戦力が足りないか。


 割と真っ直ぐ突っ込んできて、尻尾や尖った口や手の先の棘やら鎌やらで攻撃してくるだけなので、攻撃パターンは大体分かったし、もう大丈夫。


 そしてレギオン級と対峙。


 さすがにサイズが違い圧迫感もかなりの物だ。やはり虫の巨大化は気持ち悪い。魔将と呼ばれる邪悪な存在の部下にはうってつけかもしれない。


 「中央がレギオンに接敵したみたいなんで、ギア上げてくよ。『行くぞ!』」


 そのまま一気に士気が跳ね上がり、更に防御系のバフも乗ったのだがやはり隊長の<戦陣術>は格が違う。


 世界を巡って色んなレギオン級を倒してきたらしいが、集団戦最強と呼ばれるに相応しいバフ能力。


 何しろ後続がいくらか暴走始まっちゃってる。まあ取りこぼした虫相手に殴りつけてるだけだし、放って置こう。


 残敵処理をしてくれるなら寧ろ暴走してても十分に役に立ってる。後で後ろから取りこぼした虫の群れに襲われるとか嫌だし、ある意味壁を作ったと考えれば悪くない筈だ。


 レギオン級は相変わらず騎士殿が先頭だが、全身を捻転するような一振り一振りで一瞬動きを止めるほどの衝撃を与えているのが見て取れる。


 いくらなんでもレギオン級に大ダメージ与えすぎだろうと思うのだが、騎士殿からしたら的が大きくなっただけのようで、圧倒的な圧力でもって寧ろ戦線を圧し上げて行く。


 そして、一瞬の隙を突くかのような剣閃が時折発せられるのはPKの人の仕業だろう。何しろ神出鬼没あっと言う間にワープして剣で斬った軌道だけエフェクトが残り、次に移動しているので何をしてるのかよく分からない。


 ガイヤ姉さんの動きはまだ分かるが、どうやら術士としての威力も十分な様で、離れた位置からの火の攻撃だけでもかなりのダメージを与えている。


 敵はどうやら術は使えないのか特に相殺してくるでもなく、そのまま受けているのでどんどんダメージが溜まっていくのが分かる。


 本来100人で当るサイズの敵をほぼ三人で押し込み、自分含む後続隊はちくちくダメージ加算係でしかないのが歯がゆい。


 まあでも軍狼の時とか抑える係りは自分だったりしたので、集団を引き連れたレギオンはこういうものなのだろう。


 いつだったかの怪鳥の様に単体レギオンは本当に強力だし、一人で抑えられる物じゃなかったが、このガガンボ風のレギオンなら自分でもやれる!多分。


 ああ……でも怪鳥の時はビエーラさんが撃ち落してたわ……やっぱり本当に上位の人は化け物なのか。


 時に邪魔してくる虫を打ち払い、手が空けばレギオン級に攻撃を仕掛ける。


 しかしレギオン級に攻撃を仕掛けるって事は巨体に近づかなければならないので、油断するとただの足の一振りにも弾き飛ばされる事になってしまう。


 十分に周囲を警戒しながら確実に盾で弾き、鎧で攻撃を受け、丁寧に一発一発重剣の打撃を与えていく。


 本当に重剣とって置いてよかった。このサイズの敵にちゃんとダメージを与えてるって実感が持てる武器って中々ないだろう。


 でかいハンマーを振り回している人なんかは爽快だろうな~。逆に隊長のような小剣でよくレギオンと戦ってきたな?あれか隊長は指揮専門に立ち回って、他に打撃要員を立てたのかな?


 何となくあの隊長の性格上自分で突っ込んで行きそうなんだよな~。避ければ問題ないらしいしさ。


 そして気が付いたらレギオン級ガガンボ風虫もひっくり返って仰向けになって倒れてた。


 一旦空白地帯になった事で、とにかく回復と携帯食摂取。

 

 虫に囲まれて食べる食事はシチュエーションとしては酷い物だが、体力切れは困る。


 回復が済み次第奥に進行を開始するが、一部のプレイヤーはここに残って簡易陣地を作るとか……。


 いつの間にそんな計画が練られたのか全く聞いていないのだが、土嚢を積んでおく事で遠距離部隊の戦列を大砦からこっちにまで上げて更に奥の敵を狙う作戦らしい。


 なんとも1000人戦闘は手間がかかるし、準備も大変だ。


 いずれ自分も率いることが来るだろう。この魔将戦はよく覚えておかなきゃな。

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― 新着の感想 ―
[一言] ソタローに、とっては、ゲームとして、そうして、リアルとしてでも、いい経験になっていく戦いだね~ 猪突猛進では、こういう、多人数が一度に参加するレギオン連続討伐クエストとかはクリアでき…
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