表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
MONOローグ~夢なき子~  作者: 雨薫 うろち
西帝国動乱編
101/363

100.魔将集団戦

 煙の中から何の恐怖も感じさせずに沸いて出てくる虫達が最初の敵。


 そこに騎士殿が全力で捻り上げた筋力から放つランスは敵のど真ん中を貫き、飛んでいく。


 しかし、こいつらは何虫なのだろうか?何種類かいるように見えるけど、飛べる事だけは間違いない。


 まぁ、いいかどうせ虫の種類とか詳しくないし。


 ただ、魔将が乗ってる虫はカブトムシっぽくてかなり強そうだ。


 騎士殿が空けたど真ん中の空間を埋めるように虫達が左右から湧いてくるが、あの一発で一体何匹の虫を倒してしまったのだろうか?


 最早一騎当千と言う他ない圧倒的強さにちょっと引いてしまうが、天騎士の剣を抜いたここからが本領発揮なのだから、引いてる場合じゃない。しっかり付いていかないと。


 「うし、何度も言ってるけど魔将まで一気に駆け抜けるのが基本戦略だから、ここは縦隊を組んで真っ直ぐ抜けるよ」


 そう言うが早いか隊列を組みなおされ、さらに<戦陣術>のバフが乗っかり一気に攻撃力が高まる。


 自分は比較的防御系の<戦陣術>が多い所為か心当たりの無い術だが、いつか習えるのかな?


 魔将と戦う切り札の騎士殿が先頭と言うのが意味分からないが、いざ近くに寄ってみるとライオンのような大型獣並みの体格をした虫と戦うと言うのはかなり恐ろしい。


 大型の虫はその甲殻も分厚く、いざぶつかり合えば自分の体重ですら相打ち。


壊剣術 天荒


 重剣を思い切り振り回し、虫を叩き斬っていく。


 そんな中、天騎士装備の騎士殿はサクサクと虫を倒し、倒された虫はその場にひっくり返って転がっている。


 かなり瘴気が溜まっていると言う話だったが、まだ原型を保っている上、姿が蒸発して消えないと言う事は邪神の尖兵にまでは達していないという事か。


 瘴気が溜まってNPCが参加できない戦闘と言われると、どうしても邪神の尖兵を思い出してちょっと手が縮こまっていたが、コレで安心した。


 気持ちに少し余裕が出来て、周りをもっとよく見ていると、


 ちょうど跳ね飛ばされた虫が空中を舞っている所にワープしたような移動でPKの人が一刀両断。

 

 騎士殿の力がありあまって中途半端な空間が空けば、ガイヤ姉さんが火を飛ばす術で、周囲の虫達にダメージを与えていく。


 どうやら騎士殿が切り込んだところで、一発で倒しきれてない相手をPKの人とガイヤ姉さんで確実に仕留めている。


 寄せ集めのように見えて、いつの間にか連携が取れているのがトッププレイヤー達ということなのだろうか?


 自分は何とかかんとか周囲の虫を蹴散らすのがやっとなのだが、それでも自分が暴れないと後続が付いて来れない。


 いくらなんでも先頭4人だけで魔将まで突っ込むって言うのは無茶が過ぎるし、後続にも頑張ってもらわないと……。


「追加で<戦陣術>を掛けます。防御力を少し上げますので、皆さん何とか付いてきてください!『行きます!』」


戦陣術 激励

戦陣術 戦線維持


 自分が<戦陣術>で底上げしてる間に、ガイヤ姉さんが地面を爆炎で満たし虫達を焼き払う。


 弱った虫達を後続が撃破することで、少しづつコツを掴んできたのか、ペースが上がる。


 多分それを狙って後続にチャンスを与えるような術の使い方をしたんだろう。


 PKの人は割りと淡々と確実に虫を仕留めて行くが、それはそれでこちらに余裕が出てありがたい。


 一応敵も1000体という話だが、サイズが何しろでかい。偶々生きてる虫に一発突進を喰らうだけでも結構重い。生命力は温存するに越した事無いだろう。


 そして、一体目のユニオン級と撃突。


 左右の嵐の岬と騎士団はまだもう少しかかりそうか……。


 そんな事を考えている内に既にユニオン級に斬りかかっている騎士殿。


 相手は細い体に大きな透明の羽、ガガンボに似た虫だが、あってるだろうか?


 しかし、このガガンボ既に矢で羽がぼろぼろだ。


 どうやらサイズが大きい所為で、すでにビエーラさんの的にされていたよう……。


 騎士殿の一振りに跳ね飛ばされ、狙い済ましたかのようなガイヤ姉さんの火を纏った溜め打ち。


 消えては現れ、消えては現われを繰り返しアット言う間にガガンボを斬り刻むPKの人。


 見ている間にガガンボはその場にひっくり返った。


 巨体のガガンボを横目に、先を急ぐ一行に続きどんどん虫を倒して押しのける。


 遠くを見ればまだユニオン級もレギオン級も沢山いるのだが、ただ良く見ると結構な数の矢が刺さっているのは、見間違いじゃないだろう。

 

 遠距離組みはどうやら小粒の普通の魔物はこちらに任せて予めユニオン級レギオン級を削る作戦のようだ。


 まあよく考えれば自分達が闘っている所に矢が降ってきたらそれはそれで怖いし、ちょうどいいのかもしれない。


 矢の雨の中を平然と戦えるのなんて、隊長とカヴァリーさん位だよね?


 向かってきた虫を一体盾で受け止め、一撃重剣で斬りつける。


 後ろから追いついたプレイヤーが群がり、ボコボコにしている内に更に先に進む。


 とにかく一発受け止め、動きさえ止めてしまえば、その後は数の暴力で何とかなる。


 まるでスズメバチに群がって殺すミツバチのようだけど、現状核となる戦力が4人しかいないのだから仕方ない。


 魔将に向けて一直線に歩を進める。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] ガガンボ? 描写的にアメンボっぽい? 千人の中の百人でも、率いれる力があるなら、そこは虫の事を考えてる場合じゃ無いぞ、ソタロー(笑) 正確には九十七人と、先陣三人+自分な…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ