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シンデレラの弟

作者: A-Ringo
掲載日:2019/09/25

僕(ぼく)にはシンデレラという名前(なまえ)のお姉(ねえ)ちゃんがいます。

僕とシンデレラお姉ちゃんは姉弟(きょうだい)だけど、お母(かあ)さんが違(ちが)います。シンデレラお姉(ねえ)ちゃんのお母(かあ)さんは、病気(びょうき)で死(し)んでしまいました。

そして、お父(とう)さんは僕(ぼく)のお母(かあ)さんと結婚(けっこん)することになりました。シンデレラお姉(ねえ)ちゃんにはお兄(にい)さんとお姉(ねえ)さんができました。この二人(ふたり)は、僕(ぼく)にとってもお兄(にい)ちゃんとお姉(ねえ)ちゃんです。

僕(ぼく)の名前(なまえ)はスコット。僕(ぼく)が生(う)まれた時(とき)、シンデレラお姉(ねえ)ちゃんは12歳(さい)でした。

でも、僕(ぼく)のお母(かあ)さんはシンデレラお姉(ねえ)ちゃんには意地悪(いじわる)でした。シンデレラお姉(ねえ)ちゃんには掃除(そうじ)や洗濯(せんたく)などの家事(かじ)だけでなく、小(ちい)さい僕(ぼく)のお世話(せわ)もさせました。

シンデレラお姉(ねえ)ちゃんは僕(ぼく)のために、たくさんのぬいぐるみを作ってくれました。一番(いちばん)のお気(き)に入(い)りは猫(ねこ)のぬいぐるみです。

お昼寝(ひるね)の時(とき)、シンデレラお姉(ねえ)ちゃんが僕(ぼく)に絵本(えほん)を読(よ)み聞(き)かせてくれたことを覚(おぼ)えています。


僕(ぼく)が5歳(さい)の時に、お城(しろ)で舞踏会(ぶとうかい)が開(ひら)かれました。

王子様(おうじさま)のお嫁(よめ)さんを決(き)めるのです。

「スコット、お城(しろ)では走(はし)り回(まわ)ったりしちゃダメよ。お行儀(ぎょうぎ)よくするのよ」

「はーい!」

僕(ぼく)は元気(げんき)よく返事(へんじ)をしました。

「舞踏会(ぶとうかい)か…面倒(めんどう)だな」

お兄(にい)ちゃんはぶつぶつと文句(もんく)を言(い)っています。

もう一人(ひとり)のお姉(ねえ)ちゃんはそんなお兄(にい)ちゃんを尻目(しりめ)に、大(おお)はしゃぎです。

「舞踏会(ぶとうかい)でイケメンに出会(であ)ったらどうしようかしらー!」


おめかしをして、僕(ぼく)はお気(き)に入(い)りの猫(ねこ)のぬいぐるみを持(も)って、舞踏会(ぶとうかい)に行(い)きました。

シンデレラお姉(ねえ)ちゃんは連(つ)れて行(い)ってもらえませんでした。


舞踏会(ぶとうかい)にはたくさんの大人(おとな)たちがいました。

お兄(にい)ちゃんは、お母(かあ)さんに僕(ぼく)から目(め)を離(はな)すなと言(い)われていました。

僕(ぼく)は辺(あた)りを見渡(みわた)しました。僕(ぼく)と同(おな)じ年(とし)ごろの子供(こども)は一人(ひとり)もいません。

舞踏会(ぶとうかい)は夜遅(よるおそ)くまで続(つづ)きました。

僕(ぼく)は眠(ねむ)くなってきたので、お兄(にい)ちゃんが僕(ぼく)を連(つ)れて帰(かえ)りました。

僕(ぼく)は自分(じぶん)の部屋(へや)で、魔法使(まほうつか)いのおばあさんの夢(ゆめ)を見(み)ていました。


次(つぎ)の日(ひ)、僕(ぼく)が起(お)きたらおじさんたちが家(いえ)に来(き)ていました。

おじさんたちはお城(しろ)の人(ひと)で、お城(しろ)の階段(かいだん)に落(お)ちていたガラスの靴(くつ)がぴったり合(あ)う人(ひと)を探(さが)していました。

もう一人のお姉(ねえ)ちゃんが履(は)いたら小(ちい)さくて入(はい)りませんでした。

おじさんは僕(ぼく)を見(み)るとニコニコ顔(がお)で「履(は)いてみるかい?」と聞(き)きました。

僕(ぼく)はうなずいて、そのガラスの靴(くつ)を履(は)きました。でも、そのガラスの靴(くつ)は僕(ぼく)には大(おお)きすぎたのです。


そこにシンデレラお姉(ねえ)ちゃんが現(あらわ)れました。

シンデレラお姉(ねえ)ちゃんがガラスの靴(くつ)を履(は)くとぴったり合(あ)ったのです。

僕(ぼく)は途端(とたん)に不安(ふあん)になりました。

シンデレラお姉(ねえ)ちゃんが結婚(けっこん)したら、この家(いえ)はどうなるのって。

僕(ぼく)は、シンデレラお姉(ねえ)ちゃんが大好(だいす)きでした。


その時(とき)、シンデレラお姉(ねえ)ちゃんは頭(あたま)を下(さ)げました。お姉(ねえ)ちゃんはおじさんと僕(ぼく)の話(はなし)を聞(き)いていたのです。

「ごめんなさい、王子様(おうじさま)のお妃様(きさきさま)になれません。そして、弟(おとうと)に履(は)けるはずがないとわかっていながら、ガラスの靴(くつ)を履(は)かせていただきありがとうございます。私(わたし)は、弟(おとうと)の成長(せいちょう)を見届(みとど)けたいのです」

シンデレラお姉(ねえ)ちゃんは結婚(けっこん)して自分(じぶん)が幸(しあわ)せになるより、僕(ぼく)の幸(しあわ)せを選(えら)んだのです。


シンデレラお姉(ねえ)ちゃんは今(いま)、お洋服(ようふく)を作(つく)る勉強(べんきょう)をしています。

シンデレラお姉(ねえ)ちゃんはぬいぐるみの採寸(さいすん)をして、ミシンでお洋服(ようふく)を作(つく)っています。

この前(まえ)は、僕(ぼく)にセーターを編(あ)んでくれました。


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