少女への誘い
晴れた空の下を散歩するのは
とても心地良い
しかし
心地良くない話が聞こえてくる
「〜※※※の忌み子がやっといなくなったらしいな」
「本当か!」
「良かった
これで、やっと安心して眠れるな。」
すれ違いざまに笑顔でそう話す男達
ワクワクしていた心が
暗く沈む。
私もその話は知っている
だが、捜索されることはない
いなくなったのが忌み子‥だから。
逆に皆喜んでいるのが現状だ。
もし、いなくなったのが貴族の息子とかなら
別なのだろうが‥‥。
子供ながらにこの世界の異常さには気付いている。
「私には何も出来ないけどね。」
独り言を呟く。
「まぁ、私も忌み子‥なのかな。
いなくなったらきっとあの子みたいに‥」
喜ばれるのかな?
最後の一言は声にならなかった。
出来なかった。
[ドンッ]
「わわっ、ごめんなさい。」
考えていると誰かとぶつかった。
「大丈夫か?」
「はい、平気です。
ありがとうござい‥!」
顔を上げると息が詰まった
この人、髪の毛の色が‥‥
もしかして、この人も忌み‥
「おい、どうした。」
「はわっ!す、すみません。」
声をかけられて
反射的に礼をして謝る
私はなんて失礼なことを考えたのか。
「‥‥はぁ、ったく。
ここの奴らは人の顔を見るたびにその反応だ」
「おいっ、‥〜‥‥」
呆れたような物言い。
目の前にいるであろう人は
誰かと話し始めた。
私は顔を恐る恐る顔を上げ
もう一度目の前の人を見る
とても綺麗な女性だった。
周りを行き交う人は
彼女をチラチラ見て
何かボソボソ言いながら行き過ぎていく
きっと良い事は言っていないのだろう。
でもこの人とても堂々としてる。
しかもお友達と、お買い物かな、良いなぁ。
私には友達なんて。
この人の友達ならきっと綺麗な人なんだろうな。
彼女の隣にいる人に目を向けた
黒い服を着た背の高い男性
予想どうり、とても綺麗な方だ。
「んん?ん?ん?‥‥!!!
くっ黒い服!、もしかして!」
「ったく、
人が話をしている最中に、突然なんなんだ。」
こちらを見る女性と恐らくその従者。
血の気が引くのがわかった。
何てことを!
この人貴族だったんだ!
「わっ私。どうしよう。
ごめんなさい!」
急いで謝罪する
下げている顔から
冷汗が出て、色んな事が頭をよぎる
「もう疲れた、ベル頼む。」
「はいはい。」
呆れたような女性。
従者の男性が近付いてくる。
私、私。
「もし、取り敢えず
落ち着いてくださいませ。
私は確かに執事をしておりますが
貴族ではございません。
頭をお上げください。」
えっ、貴族じゃない?
ならなんで?
えっでも。
私は優しい声をかけられ
そっと頭を上げる
「貴族じゃないんですか?」
「はい。」
「ほ、本当に?」
「はい。」
じっと男性を見る、嘘‥‥ではないようだ。
「良かったぁ〜!」
ほっとして胸をなでおろす。
「ようやく笑ってくださいましたね。
実は私貴方様を探していたのですよ」
「えっ?」
驚く女性と私
「はい、
貴方様をお迎えに上がりました
アレッタ様、是非私共の館へ」
何だか急にとんでもないことになってきた。
「探してたの彼女だったのか
はぁ、やっと帰れる」
少し嬉しそうな女性
「と、突然どうゆうことです?」
「私が館へ?館って何です?
私が貴方達がいる館なんかに行けるわけ‥‥」
怯えながら、目を伏せ
自分の手をギュッと握る
「あ~ぁ、招かれてるんだから
来たら良いんじゃない?」
欠伸しながら女性が言う
男性は私の返事を待っているようだ
「だ、大体、今日会ったばかりなのに」
「迷惑かけたの私の方なのに」
伏せた目をキョロキョロさせる
「未練あるの?」
言われて考える
すぐ思い付くような未練は‥‥無い
なんでだろう、
普通に笑って楽しんでたのに
ここに居たいとすぐには思えなかった
もし、此処じゃない所があるなら‥‥、
「行きたい‥‥かな。」
小声でゆっくり答える
今日会った人、
しかも私の方が迷惑かけたのに。
その人の屋敷に行くなんて。
図々しいと思いながらも
この世界から離れられるなら‥‥と。
「かしこまりました。」
「それでは、
さっそく私達の屋敷へ。」
男性はそっと私の手をとった。
私が立ち上がり歩き出すと
白髪の女性は私の横を歩き出した
さっきの従者の方は、と思い
首だけ動かして探すと
なんと、私の後ろを静かに歩いている
なんだか申し訳なくなる
「あ、あのっ。、」
俯き手を弄りながら小さく喋る
「ん?どうした。
あぁ、屋敷まではあと少し歩くぞ
もう疲れたのか?」
早口で女性は話しかけてきた
「ち、違うんです!
ただ、ちょっと、申し訳ないというか。」
ばっと顔を上げオドオドしながら答える
「ん?ん〜。
大丈夫だ彼はあれが通常なんだ
気にしないで。」
何の事か、わかったようで先程より
優しく答えてくれた。
「そ、そうなんですか」
また俯いてしまう。
「着いたぞ。」
そう言うと歩みを止めた。が
あたりを見ると
そこは行き止まりだった
疑いたくは無いがやはり騙されたのか?
だったらこの状況はまずいのでは?
色々考えていると
「行くぞ」とだけ聞こえた。
聞き返そうとした時目の前が真っ暗になった。
これからゆっくり続き書きます
よろしくお願いします