油断
「俺を倒すって息巻いていたのに組んでくれるのか。」
ダメ元で頼んだので実は驚いている。断られると思っていた。
「組まないなんて俺にはできない。一人で出場すればお前は死ぬ。」
「どういうこと?俺は簡単に殺られる気はないぜ。」
現に俺はアーサーを模擬戦で下している。なぜだ?
「お前の強さは偽物だ。実戦を一人では戦い抜けない。」
「何をいっているのか分からない。」
誤魔化すしかない。これはまずい。
「お前のスキルは万能じゃない。限界がある。」
「じゃあ教えてくれ。」
「半径50メートル以内に俺が立ち入ると魔力が3倍になる。強力な魔力を持つスキル無しが立ち入ると発動するといったところか。顔を見るにどうやら図星のようだな。」
「何で分かる。」
「スキル保有者を分析するのは当たり前だ。どんな能力か分かれば簡単に攻略できる。」
「俺に勝てるみたいな言い方だな」
「勝てるよ」
こうして、手合わせをすることになった。
場所は森林地帯。本番に合わせて魔道具の持ち込みありで戦うことになった。もちろん、俺は勝つつもりだ。
と言ったが、開始早々電撃の付与された魔道具を踏んで痺れたところを遠距離からファイアボールを撃たれて敗北した。