転生者
私はマリア。華の女子高生16歳。前世の記憶がある、兄のせいである。私は日本という国で女子大生であった、兄のせいである。彼氏いない歴=年齢である、兄のせいである。私は漫画やアニメが好きであった、兄のせいである。私には兄が一人いて、彼はオタクだった。兄の部屋はゴミ箱から異臭がするし、ノックをせず部屋に入った時にはおぞましいモノを見てしまった、兄のせいである。兄はフリーターであり、両親を幼い頃に亡くし、遺産目当てのクズな親戚から私を守ってくれ、大学に進学せずに働いた、私のせいである。私は兄が大好きだ、兄のせいである。
私は謎の爆発により家で命を落とした、許せない、簡単に死んだ私自身が。現世の私は美人だった、前世も美人だったが。現世で兄はいないが、イケメンな弟がいる、フツメンでも兄がいい。姉も妹もどうでもいい、興味がない。弟をボコボコにしても面白くない。負けず嫌いでしつこいし負けを認めない、兄はゲームで負けても喜んでいた。現世の私は黒歴史だ、つまらない。家族で唯一スキルを持つが、興味がないし、使わなくても私は強い。
ある日の昼休み、私は運命と出会う。
弟がクラスメートと連れてきた。うざかった。きょっどってた。
「動物園に帰れ。」
そこまで容姿は悪くなかったが私は機嫌が悪いのだ。そういえばこの世界に動物園はなかったな。
「だから言っただろ、マリア姉さんは生理だって。」
「それよりも動物園ってどこにあるんですか。」
ガリウスのメンタルは風前の灯火であったが、単純に動物が好きなので動物園の場所が気になったのだ。
「ここじゃないどこかだな」
ガリウスは確信した。マリアさんは中二病とボッチをこじらせた可哀想な人であることを。友達が居ないので場所を知らないのだ。金髪ドリルことクレアを中二病にした感じだろうか。3人でボッチ同盟が作れると感じた。ちなみに俺も動物園の場所を知らない。
「昼休みが終わるので失礼します、先輩。今度パンダでも見に行きましょう。」
私は確信した。彼には前世の記憶がある。転生者は一人ではないかもしれない。もしかすると、兄さんに会えるかもしれない。
「またね。」
上機嫌の私が笑顔で手を振ると弟は呆然とし、弟のクラスメートは顔を赤くしていた。