学園最強の噛ませ犬 現状報告
俺は後悔した。学業・剣術・魔法どれを見ても高等部では雑魚であるが、調子に乗ってしまった俺は模擬戦でクソ野郎を相手に圧勝。学園最強の座を得てしまった。もはや、俺は勇者を俺の半径50メートル以内に設置しないと闇討ちされて抹殺される運命にある。現に俺はクラスのバルト伯爵子息とその取り巻きから目の敵にされている。野外訓練の時にファイアボールを撃たれた時にはびびった。その時は近くにクソ野郎がいたからよかったが、俺はアーサーとかいうクソ野郎とこれからもずっと一緒にいなくてはならない。最低である。
まあ、良いこともあった。女神であるセシリア様と言葉を交わすことができたのだ。近くにクソ野郎がいるのは癪だが、あいつから女神を守らなくてはならない。ちなみにあいつが調子に乗った日は念入りにフルボッコにしている。
後、なんだかんだで現世の俺はハイスペックだ。スキル抜きにしてもそこそこ強い。高等部は周りが化け物だから目立たないが、王国全体で見れば強キャラであると言えるだろう。魔法もスキルがないにしてはなかなかの使い手であるし、体術も悪くない。将来は安定した職業の騎士になる予定だが、高等部出身というだけでも箔がつくため、割と出世できると考えている。騎士はモテる職業だし、給料もいい。最近はクソ野郎との模擬戦で徐々に剣と体術の腕も上げているし、スキルに頼らずとも戦えるようにしていきたい。
魔力量に関しては一般の魔術師10倍ほどであり、町の魔術師程度なら圧勝するだろう。まあ、4人の勇者と金髪ドリルもとい公爵令嬢は通常時の俺の2倍以上の魔力を持つ怪物なので、スキルなしでは瞬殺されるのだが。魔力は身体能力の強化と魔法の行使に多大な影響を与え、戦闘に関してはスキル以上の重要性を持つ。それは子どもが大人に勝てないのと同じ道理である。
また、高等部ではクソ野郎が一応友人であり、模擬戦の授業の時もこいつと組むので、剣術や体術といった戦闘技能は成長している。ただ、最近は金髪ドリルが俺のことを親の仇を見るかのように睨んでくるのが怖い。大抵はクソ野郎が投げキッスで撃退してくれるのだが、歯を食い縛って憤怒している女の子はかなり怖い。学業では1番だし、魔法も1番で、剣術もクソ野郎に次ぐ訳だから今年度の主席であることは中等部同様変わらないと思うのだが、ブライドが尋常なく高いのだろう。ちなみに学業と魔法の次席はセシリアさまで、三席はクソ野郎である。俺は平均くらいだ。