討伐任務
「それにしても、凄い魔力だったな。」
俺とクレアの一向は湖を目指していたところ、凄まじい魔力の奔流を感じた。どうやらこの先に何かがあるということが分かった。
「ええ、この先には標的がいます。3時間以内には出くわすでしょう。もう1つ強い魔力を持つものがいましたが、あの場から離れました。運が良いです。ターゲットは弱っているのか動きがないです。急ぎましょう。」
「総員、速度を上げろ!ターゲットを今日中に捕縛するぞ!」
隊長の掛け声を受け、俺たちは魔力で身体能力を底上げし、一気に加速する。
景色が後方に流れていった。鎧が光を反射し、一縷の光となったビュート隊長を先頭に、俺は後に続いた。
この先のことを考えると少しだけ憂鬱になる。
女以外は確実に殺す。それが王国からの指示であり、厳守しなければならない。
恨みも殺意もない相手に襲いかかるのは間違っているとも思える。しかし、宮廷魔術師になったということは王国からの命令に遵守し、任務を遂行しなければならないということである。
草原地帯を走り抜けると、森が見えてきた。
目線をあげると、この先の森の一部にだけ雨雲がかかっているのが見えた。近い。出会ったら討伐しなければならない。
腹を括った。これから戦いが始まるのだ。俺は帰りを待つ嫁がいる。決して負けられない。
そして、ついに青髪の女が視界に入った。女の周囲に3人いた。
彼らは驚いていた。ここまで早く辿り着けるとは思わなかったのだろう。道中にトラップがあったが、クレアがいるから最短距離で到着できたのだ。
「逃げて」
見たところ、青い髪の女は弱っているようだ。殺るなら今である。
「お前らは残りの3人を始末しろ。俺とバートは女を捕獲する。」
マッチョ、メガネ、ニートの3人を4人で始末する。女は隊長たちに任せる。
メガネをかけた少年が不意打ちを仕掛けてきた。
「ウォーターカッター」
メガネの魔法は悪くないが、俺の仲間が攻撃を相殺した。この隙に俺は魔力を練り、攻撃に移る。
「ファイアボール」
紅蓮の炎がメガネを急襲し、火だるまにする。喉は焼け、動けなくなり、瞬く間に敵は虫の息になった。
雨が降っているため、魔法の威力が弱くなったので、まだ息はあるようだ。
「うおおおおおお」
マッチョが突撃してきた。仲間の騎士が吹き飛ばされた。なかなかのパワーである。だが、力だけでは魔術師には勝てない。
「30連ファイアボール」
「あああああ」
そのまま火だるまになった。聞くに耐えない断末魔だ。
横に目を向けると、ニートみたいな奴がクレアたちに包囲されている。そして、土下座をしていた。ダサい奴だ。
それはそうと、やつの容姿から気になった点がある。
「お前、日本人か。」
この世界に来て初めての日本語。土下座は日本人なら知っているが、この世界では存在しないのだ。
「え?」
相手の反応がある。どうやら、この男は日本から来たらしい。
「面白い。」




