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 俺は西條雅司(さいじょう まさし)、フリーターだ。高校を卒業して会社に入ったが、メンタルがもたなかった。


 俺には5歳年下の妹がいる。とても美人で頭もいい。俺と結婚すると言ってくれる。高校生になってもだ。俺は断った。大学に進学した後は今度はヒモでも良いと言ってきた。妹が俺のことを好きだということは分かる。でも、俺は彼女をそのような対象として見ていない。あくまでも妹だ。


 実は彼女は俺と血が繋がっていない。お互いの両親の連れ子である。まあ、彼女はその時は幼かったので当時のことを覚えておらずそのことを知らないかもしれない。


 血の繋がりはないが、俺たち兄妹は仲がとてもよかった。いや、良すぎた。いくらなんでも彼女が大学生になるまで毎日一緒に風呂に入るのはおかしかった。日常の行動パターンを受験生は変えてはいけないと彼女に説得されたとしてもだ。一緒の布団で寝るのもダメだ。同じ部屋もおかしかった。けれども、彼女はそれを当たり前だと言っていた。


 彼女が大学生になった後に、ようやく部屋を分けてもらえた。週に一回は一人で寝ることを許された。妹に兄離れしてほしい。俺は彼女の足枷になっているという後ろめたさがある。正直、成功している妹と自分を比較してしまい、俺自身も辛いのだ。


 俺も妹離れするべきだ。しかし、妹がいなくなれば俺には何も残らない。本当は妹ではなく俺が妹から離れられないのかもしれない。妹がいなくなれば、俺は孤独に生涯を終えるのだ。


 俺は悲しくなり、初めてエロゲーを買った。俺はあろうことか自室で自分を慰め始めた。いままではトイレだったり場所を考えていたのだが、鬱になった俺は後先を考えなかった。そして、妹に見られてしまった。妹は画面のヒロインを汚物を見るような目で見た後に俺を憐れむように見た。


 妹はその日からお風呂に一緒に入ることや部屋を一緒にすることを提案してきた。とても積極的だった。そして、俺は悟った。


 いままでの俺は思い上がっていたのかもしれない。優しい妹は最初から俺のことを異性として意識などしていない。不細工でモテない俺が勝手に想像したのだ。妹は彼女も友達もいない俺を憐れに思い、嫌な思いをしてまで一緒にいてくれたのだ。


 俺は自身が異物であると思ってしまうと、自然と妹を避けたくなってしまう。


 ある日、部屋で妹が待機していた。妹を避けるために部屋を出ると、後ろで部屋が爆発した。そして、妹が死んだ。



 何もかもがどうでもよくなった。



 彼女は俺が殺したようなものだ。俺がいなければ彼女は俺の部屋にはいないはずなのだ。俺が彼女を殺した。死ぬべきなのは俺だったのだ。


 俺はその後、ネットカフェで生活をした。しばしば、妹が異世界に転生した夢を見る。起きては異世界転生の小説を読み、寝ている間は妹の夢を見る。寝ても覚めても、ここは地獄だった。


 俺は神に願った。自殺する覚悟のない俺を殺して異世界でもどこにでも連れていってほしいと。ここは嫌だ。


 俺は気づいたら光に包まれ、どこかへ連れていかれていた……




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