まあまあかな
―王宮の一室―
ジェシカとガリウスがまだ残っているので、一年生の部は終わっていない。だから、軍部のトップと王子は水晶の前にいる。
「とっとと終われ」
「色々とひどいですね。」
「暗くて声しか聞こえないよー。よく見えないよー。」
どちらかが降参するまで一年生の部の大会は終わらない。そして、3日目は死者数が0なので本部も騎士を森林内に送り込んで手出しできないのだ。
「僕がそれじゃあ行ってくるね。スキル発動」
王子がスキルを発動した瞬間に、王子の姿が消え、突如ガリウスの目の前に現れた。
「続けていいから、どっちか降参してね。」
「私が降参するよ。良い女は男を立てるからね。」
「お前は最高の女だ。愛してるよ///」
「じゃあね。表彰式の時に会おう。」
王子は次の瞬間には森からいなくなっていた。そして、王宮の一室に現れた。
「一年生の部の優勝者も決まったし、僕はもう夜遅いから寝るよ。おやすみ~。」
「そういえば、今回の1年生はどうでしたか、王子」
「ん~まあまあかな。少しだけ期待しているよ。」
騎士団長は驚愕した。王子が他人に期待することなど滅多にないことである。何かの前兆ではないか。気になったが、王子は部屋を出ていったので、聞けない。
「彼らがいれば、僕のいない王国も安泰だろうからね。」
王子は近い将来、気まぐれで色々とやらかすことになるが、まだこの時は誰も知らない。
―同時刻 魔族領 とある空間―
「よーし、お疲れ。プロテインを飲んで、少し休憩したら再開するよ。」
「承知しました。魔王様。」
かつての魔王を慕う太古の魔族が集い、筋トレをするシュールなシーンがマリアの眼下に広がっていた。
「それにしても、ジェルド、貴様はよくやった。まさか数時間で魔族の精鋭をここまで集められるとは思わなかったぞ。礼を言う。」
「勿体なきお言葉です。私は魔王様に楯突いておきながら、命乞いをし、新たな名前まで名付けていただきました。ありがとうございます。」
それにしても、かつて大陸の7割を支配しただけのことはある。人望もあるし、友達が多い。実力(物理)が足りてないけれど、バイタリティに富んだ優れた人材だ。よーし、決めた。
「ジェルド、お前に頼みがある」
「何でしょうか魔王様」
「ミロア王国の王宮に魔王復活の一報をしろ。力を見せてやれ。ただし、一人でいってこい。千年前の魔王と現代の軍の力の差を見たい。王族以外は倒してよいぞ。くれぐれもアレクセイ王子にだけは気を付けろ。私は去年一度だけ見たことがあるがあれはバケモノだ。あと、国王とアレクセイ以外の王子もお前より強い。戦うなら騎士団長と宮廷魔術師団長レベルに留めろ、以上だ。」
「分かりました、私にお任せください」
「その前に一つだけ試したいことがある。ちょっと来てくれ。」




