学園最強
私が森の中を歩いていると二人組が不意討ちを仕掛けてきました。彼らは勇者レベルではないですが、ウザいので焼いて差し上げました。彼らはすぐに降参したので、苛め足りないです。
さらに歩いていくと、モゾモゾと動く毛布がありました。誰か寝ているのでしょうか。気になったので捲ってみました。
「////え、え、え、え、そのごめんなさい////」
私が捲った毛布の中で裸の男女二人が行為をしているではありませんか。驚きのあまりお兄さまの復讐云々の話が頭から消し飛んだわ。そして、男は私に言いました。
「着替えるから、そこで待っていてくれ。」
彼は直立し、目の前で着替え始めました。私はつい、目を背けてしまいます。
「馬鹿か、お前。目をそらした隙に襲われたらどうするつもりだ。よーく見ておけ。」
彼はフルチンの癖に偉そうです。それと、こんなキャラだったかな?もっとびくびくしていたり、自信がない人だったような気がします。
「着替え終わるまで待ってくれてありがとう。やっぱりクレアさまは優しいな。」
「それくらい当然ですわ」
「俺なら待たない」
「それよりも、なんで大会中にこんな破廉恥なことをしているのですか?」
「馬鹿か、そんなの愛し合っているからに決まっているだろ。」
「//時と場所を考えてください//」
「まあ、大丈夫だったからな。なんだかんだでお前はお人好しだしな。午前0時には理性が戻ったんだが、ジェシカが可愛すぎてついつい終われなかった。悪かったよ。じゃあ、すぐに戦いを終わらすか。まだ続けたいからな」
「その前に、ジェシカさんの気持ちはどうなのですか?」
「私は強い男と結婚するのが夢。それも今日叶った////」
「俺はジェシカと今度、結婚する。結婚式に呼ぶから来てくれよ。」
「その前に、まずは決着をつけましょうか。」
私は彼に先制して、剣を抜刀する。
「スキル発―」
「ファイアボール」
「ぐえええ」
凄まじいファイアボールで剣が弾かれてしまいました。次は炎で対抗します。
「スキル発動 炎神の裁き」
「ファイアボール」
私の攻撃がすべてガリウスのファイアボールで破壊されていきます。
そういえば、同じクラスだった彼に中等部の頃にファイアボールのコツを教えたことがあった気がします。彼がここまで見事な使い手になるとは思いませんでした。素直に称賛しましょう。
「スキル発動 雷神の怒り」
「ファイアボール」
彼はスキル発動をしていない。現に魔力量は私の半分。しかし、彼のファイアボールは私の魔法を打ち破っているのです。ここまでハイレベルなファイアボールは見たことがありません。
「スキル発動 魔力操作」
「ファイアボール」
高い精度でコントロールされたファイアボールを打ち消すことができません。このファイアボールは人間の炎ではなくまるでドラゴンの息吹きのようであります。レベルが違います。
出し惜しみは止めましょう。11個目のスキルを発動します。
「スキル発動 モード 狂戦士」
「50連ファイアボール」
まるで歯が立ちません。どうして?
「困惑しているようだな。教えてやる。俺にあってお前に無いものがある。分かるか?」
「///まさか、タマタ―」
「自信だ。お前は失敗することを恐れている。努力だって強迫観念からしたものだ。プライドが高いのは良いことだし、お前のスキルは強い。だが、中途半端にするな。お前の各スキルの練度では俺のファイアボールに勝てない。俺はジェシカと出会い、ついでにアーサーとの訓練で自分の技に自信がついた。これが差だ。もっと言えば、スキルのおかげで俺は高い次元を経験することができ、ファイアボールをここまでのクオリティーに高められた。以上だ。降参しろ、俺はこれからジェシカと忙しい。」
色々とおかしい気がした。けれども、今回は負けを認めましょう。
「降参します。」




