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槍の勇者 スピア

 俺はデイヴ。この学年の槍の勇者と呼ばれるスピアは俺の家の使用人の子どもである。同時に、俺とあいつは異母兄弟である。まあ、父が彼を認知していないので、彼は後継者にはなれないし、公には兄弟ではない。

 スピアは勇者の中では唯一のスキル保有者である。でも、彼のスキルが発現したのはつい最近のことだ。12歳の頃はスキルの数がゼロであり、その後は鑑定を受けていない。そのため、スキルが何個あるのか本人も分かっておらず、俺以外はスピアがスキル持ちであることを知らない。

 ちなみに俺とスピアは仲が良いと思う。というのも、俺の実の母は俺が小さい頃に他界しており、スピアの母親には優しくしてもらったということが大きいからだろう。

 俺の家は爵位の上では伯爵であるが、我が家は借金が多く、中央に勤めるコネもない。家を立て直せるなら、スピアが後継者で良いと俺は考えている。


「剣の勇者をやっぱり倒したいのか。」

「槍の勇者はどんな剣士にも負けたらダメでしょ。」


 勇者の呼称は千年前に世界の7割を掌握したとされる魔王を打ち破った者に与えられた称号だ。魔王が人間だったのか魔族であったのかあるいは竜族、もしくは亜人であったのか、伝承が複数存在するため、その正体はわかっていない。魔王は死ぬ前に千年後の復活を預言したそうであるが、これはハッタリなのか、未来を予知したのかまではわかっていない。分かっているのは強大な力を誇る魔王を勇者が倒したということだ。まあ、()()()()に伝承の魔王ごときが勝てるとは到底思えない。


「それよりも二日目から王子が俺たちの戦いを見に来ると聞いたけど、どうする?派手に暴れる?」

「まだ待て。お前は強いが、剣の勇者が次に控えている。今いるバルト伯爵の兵士たちをあいつらにぶつけた方が勝率が上がる。」

「それじゃあ隠れましょうか。」


 瞬く間に俺とスピアは周囲に同化した。俺たち一族の体質により、光の屈折率を変え、姿を消すことができる。光魔法スキルの中でも上位にあたる光学迷彩を使える一族はこの王国では俺たち一族だけである。


 バルト伯爵の兵士はいくら探しても槍の勇者を見つけられず、ついにガリウス達が戦いに参戦する時刻となった。



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