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勇者アーサーの独白

 最初は実力が大きく離れていると思った。でも、何度も剣を打ち合う度にあいつが素人のように感じてきていた。

 俺は観察眼には自信がある。違和感の正体を探るため、(ガリウス)のことをよく見ているセシリアから情報が得られないかを画策した。彼女に初めて話しかけた時は打算はなかったのだが、今は情報を引き出すために利用している。主に彼女から中等部時代のあいつの様子を聞き出している。テスト順位、魔法の成績、普段の様子といったことだ。彼女はどうやらガリウスのことを好いているようで、嬉しそうに話してくれる。俺のことを師匠と呼び、ガリウスとの会話のだしに俺のことを使っているらしい。まあ、何かガリウスに勘違いされそうだが、あいつの好きな人がいまいちよく分からないので、あえて何もしない。

 友達のことを探るのはひどいと思うかもしれない。たしかに、俺はガリウスの友達だが、俺だっていつまでもボコボコにされたい訳ではない。格上相手には過去の対戦成績、敵の得意技、行動範囲といった細かいことまで分析し、完膚なきまで叩き潰す。俺は勝ちに貪欲であるし、初等部の頃に中等部の先輩と戦った時は魔道具や下剤を用いて散々弱らせてから剣術で袋叩きにした。

 あいつは油断している。魔力量が多くても、無敵ではない。寝てる間は当然無防備であり、奴も生物であるので毒物も有効である。俺は俺が1番になるのに手段を選ぶつもりはない。最悪、闇討ちだっていい。でも、勝ち方にもこだわりがある。出来れば正攻法で勝ちたい。

 クレアが魔眼スキルでガリウスの魔力量を測定しているのは気づいた。俺はスキルを舐めてると思われているが、使い手の貴族がごみなのであってスキルの有用さは誰よりも理解している。自分の体と技術が合わさって大きな力を発揮するのであり、貧弱な貴族では技に体がついていけない。奴らはスキルに胡座を掻いているから弱い。それはそうと、奴のスキルなのだが魔力量が一定の条件を満たせば増大するキラー系のスキルであることはなんとなく気付いていた。俺に魔眼はないので、セシリアとの会話、ガリウス本人の仕草から探った。魔道具を使い、学校をあえて休んだ上で水晶から魔力量を計測するため監視した。水晶は魔力の濃淡を色で表し、魔眼のない俺は魔道具で奴の強さを見極める。

 一応奴のスキルに関して仮説を立て、手合わせを申し込んだ。森林地帯での手合わせは正直言って小手調べのつもりだった。仮説が外れたとしても確実に生き残るのにガリウスは使えるので、最初から組むつもりだった。まあ、本命ではない魔道具のトラップに引っかかるとは思っていなかったが。

 現状の最大の敵はクレアだ。俺は剣術で彼女を下したが、剣術以外の残り9つのスキルを攻略出来なければ勝機はない。噂だと11個目のスキルもあるそうだが、こればかりは調べても分からなかった。

 1ヶ月後の大会に備えて軍事用の魔道具を知り合いから購入し、またガリウスに対して俺が学校を休んでまで集めた同じクラスの貴族のデータを提供した。それぞれの入手方だが、魔道具は同郷の騎士や冒険者の友人から買い受けた。そして、貴族のスキルは彼らの先祖の伝承を調べて把握できた。普段から女の子と仲の良い俺は彼ら貴族の彼女や友人からスキルの詳細を調べることができた。

 俺は普段から()()に俺が勝つように立ち回っている。今回の大会で負ける気がしない。


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