爆発と反発
爆発というものは能力モノの能力では割と鉄板である。しかし、使い古されたものという認識をしてはいけない。鉄板という事は、その威力が認められたものであるという事だからだ。
爆音、爆音、爆音。静寂というものがおそらく一番かけ離れている場所が、ここにあった。その場所に立つは、二人の人間。一人は爆発の中心で次なる起爆場所に手をかざす起爆者。もう一人はその爆発から逃げ続ける逃亡者。逃亡者であるカイのそばにいた少年、木霊は見当たらない。カイもその事を気にする余裕はないようだ。
「ほらほらぁ!どうしたんすかぁ!?逃げてばっかりじゃツマンネ―っすよ!」
叫ぶ起爆者。それをウザそうに聞き流す逃亡者。
「・・・どうしよ・・・、使うとあいつにも危害が出る可能性があるんだけど・・・。」
ぼやく顔にはやる気が感じられないが、何かをしようとしているのだろうか。
「・・・仕方ないか・・・、当たったら当たったでその時に・・・。理想狂」
「んん?発動したっぽいすね。さてと、陽動は成功っすか、報告必要っすかねぇ?」
「報告?する必要は無いよ。だって君は、今死ぬんだから。」
キィン、と音がした。ただそれだけで、静かになった。爆発が、終わった。
「っつ・・・、腕っすか、まあ、着眼点はいいっすね。」
「あまりしゃべらない方がいい。それとも、今のを最期の言葉にするか?」
腕が、手刀で切れるだろうか。少なくとも、恐らくは、カイがやったのであろう。紫のつなぎの男の腕は、
見るも無残なまでに、引き裂かれていた。だが、それでも、爆弾魔は、不敵に、不適に、笑う。
「あんま舐めないで欲しいんスけどねぇ・・・、別に、腕がなきゃ爆発できない訳じゃねぇっすよ。」
「へぇ・・・、じゃあ、まだ楽しませてくれるのかい?」
「えぇ。・・・外道になりますがね。起爆っ!」
爆発した。カイが、ではない。つなぎの男の近くの木が、である。
「逃げてないとは・・・、驚きっすね。」
「・・・。」
そして、爆散した木の陰に居たのは、木霊であった。しかし、先ほどまでの明るさのある面影はない。
「全く・・・、こういう世界なら、そう言ってくれよ。普通の高校生演じてた俺が馬鹿みてぇじゃん。」
「は・・・?何言ってんだよ、頭でも狂ったか?」
「もう、いいよなぁ、いいんだよなぁ!?」
木霊、らしきものは笑う、哂う、嗤う。先ほどのつなぎの男の笑いとも似た、邪悪な笑いである。
「木霊・・・、なの?」
「木霊か、ううむ、そうだと言えばそうだが、違うと言えば違う。体は木霊だが、中身は別人だ。
はじめまして、三日月、孤月という、よろしく頼む。」
物語は、回り始める。
どもども、時系列によって違う挨拶。島々と申します。四話が出せました、三日坊主にはならなくて済みそうです。これからもちょくちょく出して行けたらなぁ、と思います。