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6話 日常?

お願いします!

昨日の柳さんの頼み事を断った俺は、少しモヤモヤしながらも新聞配達を終えた後で学校へ足を運んでいた。


下駄箱で靴を脱ぎ、中靴に履き替える。


少しヒンヤリとした感覚を覚えながらも歩いていると直ぐに人肌に暖たまる。


俺は何となく此の感覚が好きだった。


其の為に何故か一度止まり、片方の靴だけを半脱ぎ状態にして熱を放射させようとするのだが、足裏からも熱が産出される為に全然冷たくならない。



冷たく感じたのは「あの地味そうな男子、格好つけてるのか分からないけど〜片方だけちゃんと履いてないわ〜」等といった視線だった。



確かに足裏に感じる冷たい感覚は好きだったが、訓練されてない俺は蔑みの目で興奮したりは出来なかった。


何をしてるんだ俺はと、思い直してサッサと靴を履き直して教室へ向かって行く。


自分のクラスである2ー3と書かれたプラ製の札が扉の上の窓に掛かっている。


偶に間違って違う教室に入る事があるので、一応確認してスライド式の扉を開けようと思っていたのだが、手が出せなかった。


『……』


俺はジッと扉を見つめる。


手を出せば届く範囲だというのに俺はどうしても出せなかった。


もし出して仕舞えば、俺はきっと変態だと周囲に言われてしまうからだ。




何故変態だと言われてしまうんだって?



それは、扉の前に柳さんが立っていたからだ。


扉に付いている、指を引っ掛けられる様な場所が丁度柳さんの下乳辺りに位置していた。



昨日は慎ましいと思っていた胸もこの至近距離でしっかり見ると意外とあるじゃないか。


俺はこんな状況で絶対に、絶対に触るなよと言われて触らない自信が無かった。


勿論、倫理的に触れては駄目なことぐらい分かっている。



けどよく考えてみて欲しい。


モテないし、家族との触れ合いも余りしてない様な人間が人肌を恋しいと想わないと思うか?と


結論、思います(真顔)。


しかし此れは決してそう言う様なやましい気持ちでは無く、タダ純粋に人と触れ合う事に飢えているからだ。


そんなこんなだから、俺は扉を開ける事が出来なかった。




ならもう一つの扉から入れと言う人もいると思われるので、一応言わせてもらいます。



それは



…バッチリ目が合ってて、逃げるに逃げられないんです。


ダレカタスケテ..


目の前には明らかに俺に様があったから立ってるんだろうなぁと思いながらも、一応挨拶をしてみる事にした。



『お、おはよう....柳さん。』


『おはよう..ございます ..高榊君。』


『………』


『…………』


『………………』



それ以降全く進展しようとしない会話を見て俺は教室に入る事を決めた。


都合のいい事に今日は変な事をしたりしていたからか、そろそろHRが始まる時間だったので其れを理由に切り出そうとする。


俺は腕に付けてない時計を柳さんに見えない角度でさも付けている化の様にして見せて話しかけた。



『あっ、もうこんな時間だ。柳さん、HRが始まるからまた今度ね。』



...今度とは何時なのかそれは柳さんも分からないし俺も知らなかった。


けど、そう言えば柳さんもまた来れば良いかと諦めてくれると考えていた。


俺は軽く会釈した後、もう片方の扉へ行こうとするが止められてしまった。



『待って下さい!高榊君っ!!』


身体が無意識でピクリと動いた後、何か反応しないとと思い背後を振り返った。


あれは何を言われるかを理解しながらも尋ねるしか無く返事をした。



『…なにかな?柳さん。』


『...私と、一緒に川柳を立て直して...下さぃ。』



言葉がどんどん小さくなる。


昨日の今日だ、柳さんも断られると思っていたのだろう...苦しそうな顔をしていた。



そんな顔を見て仕舞えば、俺は柳さん以上に顔を顰めてしまう。


…今の柳さんの顔を見て心が締め付けられる


俺はそんな顔をたった2日で二回もさせてしまったのだと思った時に、吐きそうになる様な酷い罪悪感を覚えてしまう。


何かしてあげたい、そんな想いが無いわけがない。


なのに、その柳さんへの答えは昨日と同じ。



そんな俺を、俺は許せない。


罰として、昨日の喫茶店で多めに払ってしまった所為で4日間絶食しようと考えていたのをもう2日増やさないといけないなと本気で考え始めていた。



ごめんね、柳さん。


2度も柳さんに悲しそうな顔をさせちゃった罰として死に掛けるから許して...


そう思いながら、変わらない答えを答えようとした。



『柳さん...ごめん。やっぱり出来.



ない、そう答えようとした瞬間の事。


ペチン


可愛らしい音を俺の背中で鳴らして誰かが話し掛けて来た。



『高榊君。もう、HRの時間だよ?早く入ってね。柳さんも。』


『もう少し待って下さい栗林先生!...高榊君の答えを聞いた直ぐに戻りますん..で。』


『...何となく、今の会話を聞いてて良い返事を貰えるとは思わないし。一度帰った方がいいよ。』


『っ!!...そんな事っ、分からな


『分かるよ。だって今の高榊君...私が幾ら頼んでもまともな進路希望を書いて来れなかった時と同じ顔をしてるもん。』



柳さんが先生の言葉に対して突っかかる。


しかし、先生は柳さんにハッキリと答えた。


...思い出し怒りをしているのか、体をプルプルと震わせながら。



なんか...ごめんなさい


此の間、俺の思いは変わらないが、其れでも一応悪いとは感じてはいるので心の中で謝っていた。



冷静な先生の言葉に柳さんは詰まりながらも何か言おうとする。


『っ、でも!私はっ


『大丈夫だから、悪いようにはしないしないからね?という事で高榊君っ!放課後に物理研究室に来てね?』


柳さんにウィンクをしながら、そう言っていたのが耳に入った。


『ちょっ、先生! 俺今日バイトなんですって!』


『はいっ!じゃあ..柳さんもきてね?よしっ、高榊君も入ろうか。』


『……はい。』



俺の言葉を無視する様にそう告げた先生は扉を開けて教室に押し込もうとする。


『先生っ、未だ話が終わってないすよ!無理ですって!!』


『高榊君、もう此の話は終わりだよ?』



結構な死活問題なので食い気味に言うのだが不思議そうな顔を顔を傾ける。


『何でですかい!』


『だって..』


『だって?』


『だって...後ろに豪円先生が指をポキポキ鳴らせながら近づいて来てるんだよ。』



豪円先生は、此の学校で一番恐れられていた。


在るものはその拳に殴られて数百メートル離れた所にまで吹き飛ばされたり、昔在った古い校舎を拳一つでぶち壊したりする。


そんな嘘か真かも分からないが、何故かあり得そうな噂を知っている俺は大人しく教室に入る事にしたので在った。




しかしその、数分後。


件の先生に呼び出しを喰らった俺は、HRの前に置かなう生徒の朝読書を邪魔したという罪で、怒りの鉄拳を味わう事になった。



感想: そのとき、ぼくはせんせいのこぶしのなかに、なぜかひかりと死をかんじ...ました ま る。


明日の0時に出します!


評価とかよろしくお願いしますっ!!




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