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5話 恥勘違い

お願いします!

『わ、私と、一緒にっ...川柳を立て直して下さーいっ!!!』


『はいっ!!』





俺がそう返事を返してから少しの間、時の流れが止まった様な気がした。


実際は、数秒、いや0コンマ何秒も経ってなかったので柳さんはまだ反応を示さなかった。


俺はその間に何か違和感を感じて固まってしまっていた。




『…ん?』


何か、間違えた様な...気がする。


い、一応、柳さんにもう一度聞いとくか...



少し、震える声を抑えて俺は質問をしてみた。



『ご、ごめんね柳さん。もう一度言って貰っても...良いですかね?』



『えっ?、あっ、はい。私と川柳を立て直して貰いたいんですがダメ...ですかね ?』


『川柳? 喫茶店、 立て直す、 柳さんと......死ぬか。』


恥ずかしい勘違いをしていた事に気付いた俺は近くに落ちていた木片で頸動脈を切ろうとする。



『えっ!?何してるんですかっ!高榊さんっ!!』


俺が首に鋭利な木片を当てて、うっすらと血を滲ませているといきなり背後から抱きつかれてしまう。



『ややややや

ややや

やややや


なやなななやぎ、...さんっ!?』


柳さんが生地の厚い服を着ている為に、あまり温かさや、何らかの感触は感じられなかったが俺は此のシチュエーションに頭が飛んでしまい、壊れたラジオの様な声を出してしまう。


そんな奇行をする俺を見ても、気持ち悪がったりはしなかった。


柳さんは、ただ必死に止めてくれていた。


『駄目ですよっ!!高榊君っ!何でいきなりそんな自分を傷つけようとするんですかっ!』


『…色々、思う事があるんですよ。ほっといて..もらえませんかね。』


『駄目ですっ!!』


ジリジリと木片が首に食い込んでくる。


少しだけ何かの血管がプチっと言った様な気がした瞬間、何故か俺はビンタされていた。


『…えっ?』


俺は叩いた犯人であろう柳さんを見た。


柳さんは滅茶苦茶、怒りながら怒鳴ってくる。


『何、してるんですかっ!!本当に死んでましたよっ!!』


『…ご、ごめん なさい。 』


何時も優しそうに見えた柳さんに怒鳴られた事で、俺はシュンと何かが縮こまってしまう。



俺が反省していると感じた柳さんは嫌な質問をして来た。


『……何で、あんな事をしたんですか?』


『……其れは、』


『其れは?』



告白されてるんだと勘違いしてましたなんて言えねえよっ!!


しかし、一応柳さんの前だという事で嘘はつきたく無いと考えて其れっぽく言う事にしてみた。


『………少し、勘違いしてたんだよ。調子に乗って、ね。...良く考えてみればそんな事が在る訳がないって言うのにね。俺の顔を鏡なんか見ればそんな事が在る訳無いのに...見て笑って下さいよ。俺の何とも言えない特徴の無い顔を...』


『え、えっと...私っ、高榊君の顔、結構好きです..よ?』


きっと、俺の言っている意味をあまり理解してなかったんだろう。


取り敢えず、最後の言葉だけにフォローを入れてくれたんだろうけど。


今の俺の心には柳さんの優しさは、一日目のおでんの中のコンニャク見たいに染みる事はなかった。


俺は、ガバッと柳さんの肩を掴むと真剣な表情をつくる。


『っ! ひぅ........』


俺の視線に耐えられなくなったのだろう、俺の視線から逃げようと顔を背けるが気にせず見つめ続けた後、しっかりと嫌な時間を作り口を開いた。


『…柳さん、俺達みたいなモテない、顔悪い、金無い、目立たない。そんなクラスカースト最底辺の人間にその言葉はあまりにも酷すぎるよ。きっと、優しさで言ってくれたのは分かる。けど、君の目の前の俺を見て...ほら、哀しすぎて涙が出てるでしょ?』



自分の本当に情け無い事を女の子、しかも可愛い女の子に堂々と説明していると無意識のうちに涙が出ている。


もう、駄目だ...帰ろう。


余りに情けなく感じ始めた俺は柳さんの小さな肩を掴んでいた手を離す。


酷いほどオチも文脈も無い話のまま終わりを迎えようとしている為か柳さんは「えっ、今ので終わったの!?」等といった反応をしていた。



一応は、挨拶として柳さんに声を掛ける事にする。


『ごめん、今日はもう帰るね。』



其れだけは伝えた後で俺は家へ向かっていく。


後、数メートル歩けば家に着く。


嫌に視線が感じながらも俺は早足で進めるのだが、最後にもう一度だけ柳さんが声を大にして叫んだ。



『お願いっ!!高榊君っ、私に力を貸して!!』


この言葉で俺の動きはピクリと止まる。


そう言えば此の柳さんの頼み事に対しての返事を返してなかったなと思い少しの間考えた結果、柳さんの方を振り返りハッキリと答えた。





『ごめん...俺じゃ力になれない』





『えっ...』



柳さんの声が急激に小さくなってしまう。


多分、俺の所為でそうなってしまったんだろうなぁとは思いながらも家の中に入っていく。




別に柳さんに対して何かしてあげたいという気持ちが無い訳じゃ無い。


寧ろかなり在る方だ。



けど無理だった、不可能だった。



俺は一人で生きていた。


殆ど誰の手も借りてない。


つまり自分でお金を稼いでいた。


もし柳さんを俺が手伝えばその間、バイトが入れられない。


其れは学校に行けなくなる事をさしているし。


もっと言えば生活出来なくなってしまうから、不可能だった。



将来の進路希望は、専業主婦だというのに今の現状は必死に働いて日々の生活費を稼いでいる。


そんな自分を馬鹿らしく思いながらも俺は馬鹿正直に働く事しか出来ない自分を皮肉り、今日も俺は一人寂しく生活する。

次は明日の0時で!!


なんか評価とか、お願いします




最近気づいたんですけど....

あらすじ詐欺になってたんで書き直しました。

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