17話 お魚加えた?
何時もより超長いですが
お願いします!
皆さんの高校のトイレはどんなものでしょうか。
きっと生徒達が掃除体をする所や、業務員を雇って掃除して貰う所とかあるでしょう。
僕の学校は、前者の方です。
何時も僕達が勉強している時間帯に、掃除をしてくれていました。
だから、学校のトイレはとても綺麗です。
....少しの間なら、此処で長居出来るぐらいに。
『……おい、何時になったら終わるんだ?』
『やだなぁ、トイレぐらいゆっくりさせて下さいよー』
『っち、』
後ろから苛ついているような声が聞こえる。
彼等は俺に早く排泄行為を済ませろと行って来るが、こういうのは焦っては駄目だ。
便器外に漏れてしまうと、業務員に迷惑をかけてしまう。
俺はその旨を説明する事にした。
『そんなに、急かされると何処に飛ばすか分からないでしょう。後、見られていたら中々出ないんです....もう少し待ってて下さいよー。』
十数人の男子生徒に囲まれる形で便器の前に立っている俺は熱い視線を感じ続けている為なのか全然出なかった。
…何なんだよ、良く男連中がツレションだとか行ってるけど全然出ないんだけど。
大勢の人間を連れて、周りに見られながら出来るとかアイツら化け物過ぎるだろう..
俺は今更ながら集団で行動する男子生徒達の凄さを実感していた。
皆さんすごいですわ〜
『おい、いい加減にしろよっ!長すぎるわっ!!』
『出てない事なんか分かってんだよ、諦めろやっ!!』
『もう、20分間も待たされてんだぞ!!』
『……』
気づかない内に時間が経っていたらしく、俺を囲っている皆さんの限界に近づいている。
早くトイレから出ないと周りの皆さんにボコボコにされそうだ。
...だけど、今素直に出て仕舞えばあのイカツイお兄さんに何かされかねない。
さて、どうしようか。
少しの間タイル張りの壁を見つめていると、一人の男子生徒に限界が迎えた様だった。
『いい加減にしろよっ!!』
『ちょっ、!?』
俺は制服の襟の部分を乱暴に掴んで引っ張られて、便器から遠ざかった。
そうなれば当然、外出させていた息子が俗世に解放してしまう事になる。
周りの連中は俺へ視線を集中させていた為にモロで見られる。
そして次の瞬間、時が止まった様な気がした。
『『『……………おえっ。』
『お前らが出させたんだろうがっ!!』
確かに良いものではない事は知っているが癪に障ってしまい、文句を言わなければ気がすまなかった。
息子を外界に解放した儘、叫んでいた事に気付いた俺は直ぐに聖骸布に戻してしまった。
『あっ』
便器から離れ、聖骸布に戻したという事は、あの男の元に向かわなければいけない事を思い出した俺は再度便器に向かおうとする...
が、当然止められた。
『よし、終わったな、なら行くぞ』
一人の生徒が俺の肩を引っ張ってくる。
....不味い、このままじゃっ!!
生命の危険を感じた俺は、殆ど使っていない頭だというのに一瞬で新しい作戦を立てたので、実行することにした。
『すいません、トイレ行った後は手を洗わないといけないので、少しの離してわ貰えませんかね?』
『そんなに..手が洗いたいんだったら、掛けてやるよっ!!』
バシャっ!!
『………』
一人の生徒が持っていた真新しい飲料水全てを掌と其れ以外の上半身にかけられる。
どうやら、彼等はもう会話が出来ないみたいだった。
『これで満足かっ!!…ほら、行くぞ。』
そう言うと水をかけられた男子生徒に乱暴に引っ張られ、トイレを後にした。
引っ張られながら、俺は校門の方へ向かって行く...のだと思ってたのだが何故か逆方向へ進んでいた。
『あの...どこ行ってるんですか?』
『...体育館裏だよ。』
なにそれ、怖い...早く逃げないと。
襟首を掴まれている事を忘れて、必死に俺は反対方向へ進もうとするが進められない。
逃げようとすればするほどに襟首を掴んでいる力が増加して、他の人間がネズミが通る様な隙間さえ存在しない見事な陣列を作り囲まれていました(笑...えない)
『逃すと、思ってんのか。』
『……。』
俺はそれ以降、口を開く事無く彼等の目的地へ向かって行った。
体育館裏へ着いた。
俺は、4メートル程の高さがある壁を背にして二十人ぐらいに囲まれていた。
...完璧に此れからイジメが始まりますねぇ。
俺は周りを見回していると、例のイカツイお兄さんと目があってしまった。
彼の目を見た瞬間に分かった...俺を生きて返す気が無いと。
『おい、遅かったな...何をしてた。』
お兄さんの声はとても不機嫌だった。
俺はビビりながらも答えるしかなかった。
『い、いやぁ...ちょっとトイレがね。色々ありまして...』
『ただお前が、動こうとしなかっただけだろ!!』
先程、俺を引っ張って来ていた男子生徒が要らない事を言ってくる。
何言ってんだ!馬鹿なことはよせっ!!
『ち、違うんです!!ホントに出なかったんです。』
『...そ、そうか。もう、良い。』
俺の必死な言葉を聞いて納得してくれたみたいだった。
その事に少し安心しているとイカツイお兄さんの隣にいる限界までスカートをたくし上げている金髪の女の子が前に出て来た。
『もう、良いじゃないわよ。何でアンタみたいな奴に...私が待たされないといけないのよ!。』
『…………………』
目の前で、不機嫌そうに告げられるが俺はそんな事は気にせず視線を下に持って行っていた。
何この人、制服の癖にポロシャツのボタンを2段ぐらい外して胸を強調させてるから露出度凄くて滅茶苦茶ギャルっぽく見えるんだけど。
...いや、ギャルっぽいじゃなくて、ギャルなのだろう。
この学校って偏差値そんなに低くない筈なんだけど、金髪ギャルとか、右耳ピアスしたイカツイお兄さんがいたんだなぁ。
知らなかったわ。
『……ちょっと、アンタ聞いてんの!?』
余りに目の前にいたギャルの話を聞いてなかったのがバレて苛ついている様に見える。
『いやっ、すいません..考えごとをしてまして..』
『はぁ!?私と話をしてるって言うのに喧嘩売ってんの?』
『え…すいません。』
『すいませんじゃっ、無いわよ..っ!!』
ギャルが、拳を鳴らしながら一歩一歩近づいて来る。
明らかに殴られそうな状況である。
何がいけなかったのかと聞かれれば、つい接客業をしていた癖で取り敢えず謝っていたからだろう。
良く其の時に誠意がまるっきり無いと言われていたので、ギャルにもバレてしまった様だったし、寧ろ食らって見たい気持ちも多少あった。
俺は背後に下がろうとする...
が初めから背中に壁があったので、無理だった。
逃げられない事を分かっていたギャルは素人とは思えない踏み込みをして腰を低く下ろす。
『………ち、ちょっと、待って下さいよー。話し合いましょう。』
『其の話を聞かなかったのは、あんたでしょうがっ!!』
うん、何も言い返せないぜ。
ギャルが言葉を終わらせて、中々に良いストレートが鋭角に溝打ちへ打ち込まれる...
瞬間、イカツイお兄さんがギャルの勢いの乗った細腕を軽々と掴んで静止した。
『何をしているんだ。...イキナリ暴力は、いけないだろう。』
世紀末にでも出て来ても可笑しく無い、お前が言うかっ!!!
此れはきっと心で全員が思っていただろう。
『何よっ。竜司、今の舐めた態度見てたでしょ?あれか理由よ。』
『...確かにあれはこいつが悪いかもしれないが、未だ早い。お前が殴れば、答えられなくなるだろう。』
『ふんっ!。ならサッサとアンタが聞きなさいよ。』
ギャルが簡単に手を振り払うと、簡単に掴まれた手が離れる。
『...命拾いしたわね。』
俺にそう言って、イカツイお兄さんと交代する様に背後へ下がっていった。
イカツイ人と目が合う。
元から悪かった目付きがもっと怖いものになっている。
...命拾い、ね
どう考えても、こっちの方が不味いだろう。
同じストレートでも、滅茶苦茶難い人間より、滅茶苦茶ギャルっぽいストレートの方が痛みを含めてどう考えてもマシだった。
『…おい、お前に聞きたい事がある。』
『はいっ!何でも聞いてって下さい!!』
まるでスネOの様に、弱腰になり尋ねる。
こんな事しか俺には出来なかったのだ。
『....最近、真の様子が可笑しいんだが何か知ってるか?』
『...まこ、と。ですか………
誰?』
『アンタねえっ!!』
思わず漏れていた言葉に、金ギャルの琴線に触れた様で再び前に出そうになる。
『楓花、少し黙ってろ。』
『……分かったわよ。』
思ってたより、可愛い名前だったギャルが渋々下がったのを確認したイカツイ人が俺の疑問に答えた。
『一週間前ぐらいに、お前が放課後話していた奴だよ。森宮真だ。』
『ああ....森宮君ですか。』
また、アイツか!
俺は不機嫌になりながらも答えた。
『そうだ。お前と話してから、何か可笑しいんだよ。』
『可笑しいって言うのは?』
『何時もは放課後や休憩時間は、俺達の誰かと居たんだが最近。フラフラと何処かに消えるんだ。…其れも真剣な顔をしてな。』
『…其れがどうしたんですか?』
『何か知らないか?』
『すいません、知らないです。』
俺は即答した。
此れは考えずに答えた訳でも無く、本当に知らなかった。
確かに少しだけ心当たりはあるが、もし当たっていれば俺にとって嫌な事しか起きやしない。
だから、考えない様に、分からない様にしていたかった。
『本当、にっ...知らないの、か?』
『...はい。』
イカツイ人にジッと睨みつけられた俺は恐怖で目をそらす様に答える。
別に心当たりがあったから目を逸らしたつもりは無かったのだが、向こうは別の意味で捉えてしまった。
『…目を、逸らしてたって事は、何か..心当たりがあるんだよなぁ!?』
勢い良く目の前まで近づくと、俺の耳辺りから拳一個分離れた位置を殴った。
ゴンッ!!
衝撃に負けた壁が軽く揺れ、ミシッと嫌な音が聞こえる。
『………。』
目の前にいる化物を前にして恐怖で硬直している俺の胸元を乱暴に掴んだ。
『知ってるなら、サッサと言えっ!!俺は、真に助けられたんだ!!だから、恩返しがしたいんだよ!』
『おん、がえし...』
『ああそうだっ!俺だけじゃない。此処にいる奴ら全員がそうだ。』
イカツイ男の言葉の後、俺の周りを囲む全員が真剣な表情で首を縦に振っていた。
『だから...知らないって言ってるじゃ無いですか。』
『そんな訳が無いだろうっ!あいつはお前と話してくるって言った後から変わったんだ。お前が何かしたんだろうっ!!』
『お前が何かしたんだろうが!!サッサと吐けよ。』
『真くんに何酷いこと言ったのよ!!最低っ!!』
男が必死な形相でそう言うと周りの人間も同じ様に決めつけて罵倒しだした。
初めは森宮って皆に好かれてんだなぁ、と簡単に考えていたが沸々と俺の方にも我慢の限界が近かった。
お前が何かしたんだろう?だって...
ふざけんじゃねえっ!勝手に話し掛けてきて勝手に暴走して何かしてんだろうがっ!!
そう、叫びたかったが周りで騒いでいる奴は聞く耳を持たない事は分かっている。
だから俺はグッと我慢して効果がある行動を取る事に決めた。
取り敢えず怒りに任せてずっと掴まれてて鬱陶しかった腕を両手で思いっきり握った。
俺の力じゃ、簡単には通用しない事が分かってたから一番腕周りの細い手首の部分を潰すつもりで力を加えた。
『っ!!お前っ!』
男が俺の攻撃に気付いて殺意を込めて睨みつけられる。
俺でも分かるぐらいにミシミシと音がしている。
相手の顔を少しだけ歪まさせているので痛みは感じている様だ。
『鬱陶しいんだよ...サッサと離せよ。』
『っ!....離す訳が無いだろうっ!!』
一瞬だけ、雰囲気に負けて離しそうになったが、逆に壁へ打ち付けられてしまう。
壁と接触した俺は思ってた以上の衝撃を感じた後、激痛に襲われた。
『ぐっ!!…………』
痛みに負けて倒れそうになるが、胸倉を掴まれている所為で倒れられないまま前のめりになる。
其れから俺は数十秒間、一切動かなかった。
『おい、あいつ...どうしたんだ?』
『気絶でもしたのか?…』
『竜司さんの馬鹿力で叩きつけられたんだぞ?最悪死んだかも知れねえぞ。』
周りの人間達が俺の異変に気が付いてざわつき出した。
『……』
俺は、周りのざわめきを聴きながら黙り込んでいた。
痛みに意識が朦朧としている何て訳では無く、痛みが最後の引き金となり何かがキレた俺は怒りに耐え続けていたがもう無理だった。
フラッと顔を上げ、男を見る。
未だに胸ぐらを掴んで離そうとしないそいつに怒りが湧くが俺の力では無理そうなので、他の方法を取る事にした。
『あんたらさぁ、森宮と友達なのか?』
『此処までしておいて…俺達とアイツがそんな、薄っぺらい関係だと思ってるのか?』
『俺たちは、親友だ!』
『そうよ!』
俺の言葉に面白い程、全員が反応を示す。
いいね、いいねぇ...いやらしい笑みが止まらないよ。
『へぇ...親友ね?』
『何が言いたいんだ。』
『いや...ちょっとだけ、お前ら馬鹿だろうって思っただけだよ。そうかぁ、親友なのかぁ...アホらし。』
『っ!!アンタねぇっ馬鹿にするのもい.
『だってそうじゃないか!!親友だってのに、何で森宮に何かあったのかって俺に聞くんだよ?....んー何?聞いても答えてくれなかったって?其れは可哀想に、皆さんは親友だと思ってても向こうは違った見たいですね!』
『『『『 っ!?.....』』』』
俺の言葉に心当たりがあったのだろう。
まだ俺の挑発による怒りは未だ残ってはいる様だが決して動揺が隠せてはなかった。
ふと胸ぐらを見るとあれ程強く握られていた胸ぐらが緩んでいる。
好機っ!!
俺は怒りにより三割増しで強くなった腕力(ただの気分)で無理矢理離して、目の前にある巨体を全力で前へ蹴り飛ばした。
『グッ!!...』
其処まで離す事が出来なかったけど、少しの距離さえ作る事が出来たのなら後は簡単だった。
俺は今の迄背にしていた壁へ体を向けると全力で駆け上がる。
大体4メートル強ぐらいだから、6回ほど壁のヒビを足場にして跳ぶと数秒で登り終わった。
此れぞ、久々に出た専業主夫になる為に習得した48の秘技の一つ【パルクール】だ!
何故そんな技術を覚えたのかと疑問に思う人間がいるかも知れないから説明しておこう。
何十年間も続く国民的アニメ、サ○エさんを知っているだろうか。
まぁ、きっと知っているだろう。
その中に (お魚くわ○○野良猫を追い掛ける)という歌詞があるのだ。
俺は、昔テレビが家にあった時代とても衝撃を受けた。
まさか、主婦は野良猫とそんな勝負をしなければならないのかと...
主婦は大変なんだなぁと人事のように思っていたが、俺も主夫を目指す立場。
此れぐらいの事は覚えなければならないと決意して修行した結果、半年かけて忍者ばりの動きを習得していたのだ!!
そんな事を知らない下界の連中は俺を驚いた顔をして見上げてくる。
『………』
誰も登って来ようとはしない。
其れはそうだ、今俺が登った壁は難易度で言えばAはある、素人目ではツルツルの壁だ。
そう簡単には登れない。
だからこそ、俺は此処で一安心しながらも最後の言葉を口にした。
『アンタ達は未だ、森宮に信用されて無いのかもしれない。だけどさ、ならっ!アイツが歩み寄ってくれた様に次はお前達が歩み寄って聞くべきなんだよ!!』
『『『っ!!』』』
『俺に聞いてくるなんて、そんな野暮な事すんなよ。仲間なんだろっ!? だったら!答えてくれるまで粘れよっ!!何で俺、相手ではは出来るって言うのにアイツでは出来ないんだよ!!!....分かってるよ、拒絶されるのが怖いんだろう?そんなの誰だって同じだ!!........けど違うだろ?親友なんだったら、親友になりたいんだったら!その壁を乗り越ねぇといけないだろうがぁぁあああっ!
』
『『『…………』』』
俺の熱い言葉に連中は熱い視線を向けジッと聞いていた。
正直に言うと、俺は全く当てはまらないので何も感じないが周りは違う。
連中は、森宮が大好きだ。
だからこそ悩みながら、俺の言葉を無視出来なかった。
『じゃあ...どうしろって言うのよ!!真は話してくれないのよっ!話してくれたら皆んなで力を合わせて助けられるのにっ!!』
我慢出来なくなった、金髪ギャルが以上に食いついた。
いいねぇ、此れで最後だ。
俺は大きく息を吸い全力で叫んだ。
『簡単だ!!今からアイツの元に全員で走れっ!!!お前達全員が本気で心配してくれていると分かったら、森宮も嬉し泣きして分かってくれる筈だ!!!』
『『『……っっつ!!!!』
此の言葉を最後に全員が目を覚ました。
俺は声を落として、もう一度だけ急かす。
『サッサと、行ってやれ...森宮が待ってるぞ。』
其れを最後に体を反転させて校舎では無い方へ飛び降りた。
高榊が居なくなった校舎では、数秒後全員が硬直から解放された。
『……』
始めは、あんな男の話に耳を向けてはならないと考えていたが、間違いなんて一言も言ってない。
...全てが正しいかった。
だから耳を傾けてしまって、熱い高榊の言葉に心を熱く燃やされた。
『……行こう。』
一人が、呟いた。
その一人の言葉が高榊の言葉と同様に、動かした。
『そうね、行きましょう。』
『行こう!』
『『行こう!!』』
『『『行こうっ!!真の元にっ!!!』』』
森宮の親友を自称する、彼等は彼女等は学校を出て親友がいる自宅へ目指した。
数時間後、森宮宅の周りに数十人が集まる光景が見られた。
彼等が目的地に向かっている途中。
一人の男が呟いた。
『そう言えばアイツが飛び降りた所って………………………背後絶壁じゃなかったっけ?』
『かなり、猿みたいに身軽だったし...大丈夫じゃね?』
『ああ、そうだな!!猿見たい、だったしな!!』
『『ハハハハッ!!』』
彼等の予想とは裏腹に、高榊 裕也は壁から飛び降りた後、酷い目にあっていた。
『ふふふ、上手くいった。…なんか適当に誤魔化したら殴られる事も無かったぜ!!』
思わず俺は、叫んでしまう。
面倒な奴等を追い払えて、しかも森宮に迄迷惑をかける事が出来たんだ、其れもしょうがない事だろう。
...きっと、森宮は全員に言い寄られると絶対に困ってしまう。
なんせ、柳さんを落とす為に知り合いと壁を作り何かしていたのだ。
そんな奴が本当の事を言える訳が無い。
言い寄られて困る森宮の顔を思い浮かべるだけで、良い笑みしか浮かばない。
今まで、迷惑していたんだから十二分に困って貰わないと割に合わない。
森宮にかなり悩まされていた俺は少しだけ気が楽になりながら声を上げて笑う。
『ハッーハッハッハー!!!...其れにしても長いななぁ4メートルぐらいしか無い筈なのに...あっ。』
俺が下を見た瞬間、地面と接触する。
ガッ!ゴッ!!と、人間から出てはいけない音と、出てはいけない何かを耳にしながら、何とか受け身だけは取って見る事にしたのであった。
ありがとうございました!
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