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Contract ~契約~  作者: 深々
第1章 契約者
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3話

「助けていただいてありがとうございましたっ!」


 そう言ってエリルと名乗った少女は頭を下げた。

 あの後、助けた少女に町まで案内してもらい、今は彼女の家に来ていた。


「いえいえ。そんな、人として当然のことをしたまでですよ。頭をあげてください」


 そんな蒼慈を横目で見ながら華奈恵は今後どうするか考えていった。


…とりあえずは、ギルドへ行って冒険者登録しなきゃね。冒険者になれば色々と便利だし、その上情報を手に入りやすい。


「ちょっといいかしら」


 すっかり仲良くなった蒼慈と話しているエリルに華奈恵は声をかけた。


「は、はい。なんでしょうかカナエさん」


「この町にギルドはあるかしら?」


「ギルドですか?ありますけど・・・依頼を受けに行くんですか?」


「登録すらしてないから、そっちを先にしようと思ったのよ」


「ギルド?そんなのがあるのか・・・マジでネットゲームの世界だな」


 横から蒼慈が話しに割り込んでくる。


「ねっとげぇむ?何ですかそれ?」


「え?いや、なんでもないよ」


 あははと言って蒼慈はなんとかごまかす。


「まぁ、できればギルドの場所を教えて欲しいんだけど、いいかしら?」


「もちろんですよ!」


「じゃ。早速案内してもらってもいいかしら?」


 そう言って華奈恵は立ち上があがった。


「ちょ、もう行くのかよ」


「あんまりゆっくりもしてられないのよ」


 華奈恵はそう言って立ち上がり扉へと向かっていった。





「ここがギルドです」


 そう言ってエリルがつれて着てくれたギルドは、蒼慈が思っていたのと寸分かわらぬ形だった。

 言うならば、モ○ハンの集会所のようなところで、看板にはギルドらしき文字が書いてあった。


「ありがとう、エリル。もう帰ってもいいわよ」


「え?でもっ・・・」


「いいの。いいの。お礼なんて別にいらないから」


 ヒラヒラと手を振ってエリルを追い払うようにする華奈恵。

 明らかに残念そうにしている蒼慈に向かって華奈恵は耳打ちした。


「あの子がいるとあなたの能力説明しづらいのよ。」


「あぁ、なるほど・・・仕方ないか。またね、エリル」


「・・・また機会があったら家によってくださいね!」


 名残惜しそうにしていたが、そこでエリルとは別れる形となった。




「さて、とりあえず登録しましょう。その後にちゃんと話すから」


 なんだかんだで、結局今もまだ自分のことが蒼慈は分かっていないままだった。


「はいはい。わかったよ」


 ギルドの扉をくぐると、中には冒険者と思われるたくさんの人がいた。


「おぉっと。これはこれは、なかなかのべっぴんさんじゃねーかぁ。そこの姉ちゃん、そんな餓鬼じゃなくて俺と良い事しようやぁ」


 そう言って話しかけてきたのは、明らかに酒が回ったと思われる赤い顔をした大柄な男だった。

 背中には大きな剣を背負っていたため、剣士だと思われる。


「ごめんなさい。私、年下が好みなのよ。」


 そういって華奈恵は男の下品な誘いを受け流し、何か言われる前に受付へと行った。

 蒼慈は若干小さくなりながら、華奈恵の後を着いていった。


「初めての方とお見受けしますが、どういったご用件でしょうか?」


 受付に立っていた女性は、華奈恵が受付前に来た時にそういった。


「ギルド登録したいんですけど、いいですか?」


「はい。かしこまりました。そちらの方もですか?」


「はい。彼も一緒にお願いします」


 蒼慈が何か答える前に華奈恵が蒼慈の分も登録するように言った。


「では、ここに名前をお願いします。」


「すいません。私達、字が書けないので、書いてもらってもいいですか?」


 そう、華奈恵と蒼慈はこの世界の字が読めないし書けない。なのに何故か言葉は話せるしわかる。

 このことは、さっきギルドの看板を見たときに思ったことで、蒼慈は不思議に思っていた。


…まぁ、後で聞けばいいか。


「では、名前を言ってもらえますか?」


「私が、カナエ・モリサキ。で、彼がソウジ・カミシロ」


「・・・はい。では、こちらに血印をお願いします」


 受付の女性は2枚の紙に二人の名前を書き、ポケットから小さなナイフを取り出した。

 華奈恵はソレを受け取ると、躊躇なく指の先に滑らせ、そのまま言われたとこに指を押し付けた。


「うげ、まじかよ。血印とかいつの時代の・・・」


「ほら、指かして。私がやるから」


 そう言って華奈恵は蒼慈の手を強引に引っ張り、指にナイフを滑らせ、そのまま用紙に手を押し付けた。


…うわぁ。なんか全部やってもらってて、俺赤ちゃんじゃねぇかよ。なんか周りの目線もアレだし・・・


「はい。確かに血印を確認しました。では、ギルドの説明をします」


 ギルドとは、各地からやってくる冒険者が生活していくために、護衛任務、討伐任務、はたまた雑用など、

色々な人が依頼したものをこなすことで報酬を受け取り、生活していくためにある。

 そして、依頼にもい難易度というものがあり、それによって危険度や報酬が変わる。

 冒険者自身にもランクというものがあり、それによって受けれる依頼が変わるのだ。

 ランクは下からE-、E、E+、D-・・・A+、S、SS、SSS、となっている。

 SSSクラスはもはや英雄扱いである。


「では、こちらがお二人のギルド証です。今回の登録は無料ですが、失くして再発行の場合50銀貨かかりますので、ご注意ください。

 依頼の受け方は、そちらのボードから依頼用紙をとって受付まで持ってきていただければ受けることができます。

 何か、質問などはございますでしょうか?」


「いえ。一通りわかったわ。また明日から受けるのでその時はよろしくするわ」


 華奈恵は蒼慈が何か言う前に蒼慈の腕をひっぱってギルドの外へと出て行った。

フラグ立ってないです。

全然たってないですから。

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