25話
なんか駄文すぎて話の展開がアレですけど・・・これが限界なんです(ぉぃ
「ではでは、指切ろっか♪」
ニヤニヤと笑みを浮かべながら蒼慈は怯える女の方へと歩いていく。
「・・・ぃ、いやぁ・・・いやあ!!来ないで!!」
「おいおい、一国の王女様ともあろう御方がこの程度でそんなに泣き喚いちゃダメだろ」
はははと蒼慈は笑う。
そんな蒼慈を見て女は思う。
…こ、この人は狂ってる。このままじゃ殺されちゃう!誰か、誰か助けて!
「助けなんてこないよ」
ビクッ。蒼慈の言葉に女は肩を震わせる。
「そうだ、いいこと思いついた♪」
ニヤリとまた笑みを浮かべる蒼慈。
「俺の質問に答えてくれたら、指を切るのはやめてあげるよ」
「ぇ・・・本当!?」
蒼慈の言葉に食らい付く女。
彼女は普段は城の兵士に守られ、その上さっきまで彼女といた護衛の二人はその中でもかなりの腕であるため、彼女は町に出るときも彼ら二人の護衛だけでよかった。
そのため今まで苦労したことはなく、よく王族の子供が感じるような窮屈さもあまり感じていなかった。
だから、このような状況に陥った時、彼女は初めて恐怖を感じ、自分が王族、つまりは身一つで交渉になり得るものだということを改めて理解していた。
恐怖、つまりは目の前にいる自分よりも若い男が自分の指を切るということから逃れられるのならば、今の彼女にとってはこれよりも嬉しいことはなかった。
「うん。本当。だからさ、いくつかの質問に答えてもらってもいい?」
「わ、私に答えれる範囲なら・・・」
「よし、じゃあ、まずはね・・・」
何かしら考えるように蒼慈は腕を組む。
ちなみに、華奈恵達3人は木陰で何やら話していた。
「とりあえずは名前教えて」
ニコリと、さっきまでのとは違った笑みを蒼慈は浮かべる。
「え?・・・名前?」
「うん。名前」
「えっと、フレア・ヘルゼス・クリスパニアです」
「歳はいくつ?」
「今年で18歳です」
「俺より2つ上か・・・趣味は?」
「しゅ、趣味?」
「趣味」
「編み物・・・かな?」
「ほほぅ。好きな物は?」
「可愛いものとか・・・」
フレアは混乱していた。
目の前にいる男の口ぶりからして、きっと国家機密に関わるようなことを聞かれるのだろうとばかり思っていた。
フレアの歳を聞いて自分よりも2つ上だと言った。
つまり目の前の男は16歳。
たった16歳。それなのにフレアの護衛に付いていた優秀な城の兵士をいとも簡単に負かした。
剣の腕はこの国で5本の指に入るほどの強さを持つエレナ、そして魔法の詠唱の早さ、威力が共に高く、何よりも無詠唱でもかなりの威力の魔法を使えるクレイ。
あっさり倒されてしまったが、最初に蒼慈と話をしていた使用人のリンセスは暗部に属していて、決して弱いわけではない。
それなのに、この男が自分に聞いてくることは国とは全く関係なく、フレア個人に対する質問ばかりだった。
…意図がつかめない。この人は一体何を考えてるの?
「フムフム、じゃあ次は・・・」
「いい加減にしてください!」
「どしたの?」
蒼慈はいきなり大声を出したフレアに対して驚かずに冷静に尋ねる。
「あなたは・・・一体なにをっ」
「あ、わかった」
『一体何を考えているのですか!?』
蒼慈は安易にフレアが言いたいことがわかった。
彼女にとって自分は得体の知れない男なのだろう。
この歳でこれほどまでの強さ、そして脅すような残虐とも思える性格。
なのに、蒼慈がフレアにする質問にはそのような悪意が全くない。
…混乱してるんだろうなぁ・・・
内心笑いながらも蒼慈は言う。
「俺の自己紹介してなかったね。さっきから不機嫌なのはソレか。そうだよね、君のことばっか聞いて、俺のことは話してないもんね」
「ぇ・・・ちがっ」
「いいって分かってるって」
…違う!何がわかってるよ!誰もあなたのことなんて知りたくないわ!
心の中で蒼慈に怒鳴りながら表情には出さないフレア。
「俺の名前は蒼慈・神城。歳は16歳。趣味はネットゲーム・・・あ、わかんないか」
ヘラヘラと笑いながら蒼慈は自分の自己紹介をしていく。
「・・・そんでもって、好きな武器は刀で・・・」
「もういいです!そんなことは聞いてません!」
「え?でもまだ初体験のこと話してないんだけど、これ重要じゃない?」
「そんなのどうでもいいです!」
「あ、そっかそっか。華奈恵!フレール!セリーヌ!」
蒼慈は木陰で話している3人の名を呼ぶ。
「なんかね、フレアちゃん18歳が3人のことも知りたいんだってさ」
「はぁ!?誰がいつ!そんなことを言ったんですか!てか何で“ちゃん”!?」
「わかるさ、顔に書いてる」
ビシッと親指をフレアに向けて立てる蒼慈。
「じゃあ、私から」
こちらに歩いてきた3人の中からセリーヌが言った。
「ちょ、だから・・・」
「私はセリーヌ・ニルフェール、19歳です。あなたより1つ年上だから、セリーヌお姉ちゃんて呼んでねっ♪」
ニコリと笑いセリーヌはフレアに自己紹介をした。
「私はフレール・ニルフェール、18歳。セリーヌの妹よ。タメだけど、私の方が精神年齢高いから敬語使ってね」
「だから別にあなた達のことなんて・・・」
「華奈恵・森咲。21歳。私のことはお姉さまと呼びなさい」
「なんで!?」
若干1名納得してない人がいるけれど、それはあえて放置の方向でいくとして。
「これでいい?」
「よくない!」
蒼慈の言葉に瞬間的に反応するフレア。
「あなた達は・・・一体何が目的でこんなことを!」
「世界征服」
「へ?」
「というのは冗談でこちらとしても色々事情があってね」
「くっ・・・その事情は、一国の王女を人質にとってまでする必要があるのですか?こんなことがあったと父が聞けば、あなた達がただでは済みませんよ?」
からかわれたことで若干顔を怒りで赤く染めながらフレアは言った。
「はははっ、ただでは済まないか・・・まぁ、こっちが本気なれば国一つ滅ぼすなんて造作もないんだけどねぇ~」
蒼慈のその言葉に華奈恵以外の者が驚く。
フレアだけでなく、セリーヌにしてもフレールにしても蒼慈の力をほとんど知らない。
しかし、蒼慈はフレールと戦った時に自分がどれほど力を持っているのか知った。
華奈恵はそのことを元より知っていた。
「そ、それは本気で言ってるの?」
声を震わせがらフレアは聞く。
「どうだろうね」
また蒼慈は、はははと笑いながら言った
そんな時、
「フレア様!」
…やっと来たか・・・