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1 回想(1)

「ふあぁ~」


 今は午前中の授業中。

 2時間目は英語の授業だった。

 この学校はわりと有名な進学校で、生徒は私語もほとんどすることなく授業を真面目にうけている。

 そんな中で一人だけ窓に目を向けて欠伸をしている生徒がいれば、目立つのも当然のこと。


「・・・神城君。そんなに授業が退屈ですか?」


 “神城君”と呼ばれた生徒は窓から目を離し、教卓の上で彼を睨みつけている教師を見る。


「あなた、それほど英語の成績がいいわけではないんですから、もっと真面目に授業を受けたらどうなんですっ!?」


 少々ヒステリック気味な声を上げる英語教師。年齢は30台後半といったところで、いかにも厳しそう、といった感じの女教師だ。

 印象的なのはその三角の形をした眼鏡。

 とにかく真面目な先生で、生徒にもその真面目さを強要している。


「ふぁぁ~」


 授業中なのにもかかわらず、注意された生徒の机の上にはノートや教科書といった勉強道具の類は一切ない。


「あ、あなたね・・・せめて教科書とノートくらいは机の上に出しなさいっ!」


 ものすごい目で教師はその生徒を睨む。

 しかし、当の本人は全く申し訳なさそうなそぶりは見せず、


「ねむ・・」


 窓に目線を戻した。


「・・・神城君!!後で職員室に来なさいっ!」


 教師は思いっきりその生徒に向けてヒステリック気味な声で叫び、怒りに震えながら授業を再開した。

 生徒を怒ったことによってだとしても、彼女にとっては授業を遅らせることはしたくなかったため仕方なく授業を再開したのだが、

 当事者であるその生徒は全く気にする様子はなかった。

 チャイムが鳴り。委員長の声で授業が終わった。



 彼の名前は神城蒼慈かみしろそうじ

 ここ高山高校の2年生だ。

 身長は163cm。体重は50kg。

 体つきは華奢で背も低くいためよく年齢よりも下に見られることがある。

 顔は、目が隠れるくらいの長めの前髪、それ以外は全体的に整った顔つきをしている。

 彼は特別不真面目というわけではないのだが、今日はそれなりに理由があってのことだった。

 

「ソージ。お前、授業なんてノート開いて教科書だして適当に前向いとけばいいものを、なんで何も出さないとか教師を挑発するようなことするんだよ」


 授業が終了し、真っ先に蒼慈の机に寄ってきたのは、中学の頃からの仲で、いわゆる親友の赤坂洋平あかさかようへいだった。


「ん?・・・ぁれ?・・・授業は?・・・終わったのか?」


 そんなアホみたいなことを言う親友に向かって、赤坂は言う。


「おいおい。何寝ぼけてるんだ?お前職員室に呼ばれてたろうに」


「職員室に?俺が?ははっ。何言ってるんだよ洋平。俺が呼び出される理由なんてないだろ?お前いつからそんな冗談言うやつになったんだよ」


 はははと洋平の顔を指差しながら笑う蒼慈を見ながら洋平は大きくため息をついた。


「・・・あぁ、そうだな。どうやら俺が寝ぼけてたみたいだわ。そんなことより今日はいつもより遥かにボーっとしてたけど、昨日なんかあったのか?」


「ボーっと?してたかな?てか授業受けてた記憶がないや」


 やっぱりな。といいうように額に手をあてて洋平は本日二度目のため息をついた。


「どうしたんだ、洋平?ため息なんかついちゃってさ。悩み事でもあるなら相談にのってやってるけど?」


「いや、いい。この悩みはだいぶ前から続いてて一生解消されないと、もうずいぶん前に諦めたからな。そんなことより、昨日なんかあったんだろ?」


「ふ~ん。ならいいけどさー。そんなことより、フフフ。そうなんだよ『なんか』あったんだよ昨日!」


「おぉ。何があったんだ?」


 内心では全く乗り気ではないが、こうしていないことには話しが進まないだろうと思い、洋平はさも興味があるような感じで再度聞き返した。


「フッフッフッ。実はな・・・昨日、ついに『影をも切る刀シャドウブレイカー』を手に入れたんだ!!」


 『影をも切る刀シャドウブレイカー』とは、最近蒼慈がはまっているオンラインゲーム『サークルオンライン』に出てくる、超のつくレア武器のことである。


「昨日、フラフラッとモンスターを倒してたら、いきなりポロッと出たわけよ!!凄くない!?」


 洋平はオンラインゲーム、というものをあまり知らないが、常々蒼慈から聞かされているためある程度のことは知っていた。


「いやぁ。前々から欲しかったんだよね~」


「それが授業中にボーっとしていた原因か」


「授業中に?」


「さっきまでずっとそのことを考えていたのか?ってこと」


「おぅよ!さっきまではアレを使うべきか、それとも保存するか、それとも超高値で売るのか考えていたわけよ!それでだな・・・」


 その時、まるで蒼慈の話はもうウンザリだ、とでもいうようにチャイムが鳴った。


「ありゃりゃ。洋平、次なんだっけ?」


「次は化学だったな。そんなことよりお前・・・まぁいいわ」


「いいならいいけど。なんか悩みごとあるなら相談のるからなー」


 まぁそんときは頼むわ。と言い残して洋平は自分の席に戻っていった。


…なんか言いたげだったな、洋平のやつ。まぁいいか。そんな事より早く帰りてぇ~。ネトゲが俺を待ってるぜ。


 例のレア武器をどうするべきか、蒼慈はいまだに考え続けていた。

 そして、化学の教員が来て授業が始まった。

なかなか 異世界への話に繋がりませんが・・・・

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