4話
「なんか怒涛のような一日だったぜ」
今二人は森の中の開けた場所に来ていた。
ここなら誰かに聞かれる心配もない。
「で、ちゃんと説明してくれるんですよね?」
「えぇ、もちろん。どこから話そっか・・・じゃあ、まずはこの世界からね」
そう言って華奈恵は話始めた。
「この世界は“異世界”よ。もうそれはわかったわよね?・・・それで、ここには魔法があって、化学はない。それもわかった?」
蒼慈は頷く。魔法は実際に自分で使ったのだから。
「そして、この世界には“魔王”がいる。私達はそれを倒さなきゃ帰れない。これも、わかった?」
「何故?こっちにこれるなら帰ることも可能なんじゃ?」
「それが無理なのよ。理由はしらないわ。そして、何故か魔王を倒すと帰れるわけよ。わかった?」
「オッケー。わかった。で、次は俺について教えてくれない?俺を『探してた』ってことも含めて」
華奈恵は頷いた。
「それを話すには、まず私のことから話すわ。私の一族は代々“干渉”の能力をもつ一族なの。それで、“異世界への扉”を開けるのは、
“異世界”へ“干渉”できる私達のみ。でも、私達の力では到底“扉”は開けない。そこで、あなたの一族が必要になるの」
「俺の一族?」
「そう。あなたは代々“契約”の力を持った一族なのよ。“契約”の力は契約したものの力を大幅に上げる。だから、私達とあなたの一族は、
代々“契約”を結びこの世界に来る。そして、魔王を倒して帰ってくる。というわけ」
「ふ~ん。じゃあ、なんで俺を『探してた』の?」
「私達は家同士、その時が来たときだけ連絡を取り合ってたの。だから、今回もそろそろだと思ったから、あなたの家へ連絡した。そしたら・・・」
「繋がらなかった、か。」
華奈恵が言う前に蒼慈がその言葉を遮る。
「そう、元々私のとことあなたのとこは電話番号を知っている程度だったのよ。本当にそれだけだった。だから、唯一の生き残りのあなたを探すのにずいぶん手間取ったのよ」
「なるほど。そゆことか。じゃあ、魔法とやらを教えてくれる?」
蒼慈にとっては自分の身の上のことなどどうでもよかった。
それよりも、今大切なのはこの世界でどう生き抜くかだ。
「・・・前にも言った通り、元の世界での“能力者”は世界によってセーブされて、なお力があふれ出した者達。だから、基本的に私とあなたは最強よ。特に、あなたはね」
「どういうこと?」
「“契約”したら何故力が増えるのか。その力はどこから来るのか。わかる?」
「・・・俺の中?」
「おしいわ。でも、大体そんな感じよ。元々“契約”の能力者はかなりの力がある。でもそれが“契約”であるがゆえに使い所がない。だから気づかないけど、能力者のなかでは最強よ。
そして、“契約”した時に増える力は、あなたの力の一部が複製されたような形で私に移った。」
「力の一部ってのは単純に魔力のこと?」
「違うわ。あなたは、あなた達“契約”の一族は、生まれた瞬間に世界と“契約”するのよ。これに例外はないわ。そして、世界から庇護を受ける。それが私にも、ってことになる」
「へ~。俺、結構強いの?」
言いながら蒼慈は自分の手を見つめる。自分が強いなどとは一度も思ったことがなかった。
「えぇ。結構どころか無敵よ。」
「でも、俺魔法の使い方、イマイチわからないんだけど」
「使い方なんて、もとよりそんなの必要ないわ。ドラゴン倒した時と一緒でいいのよ。この世界の住人は詠唱やらなんやらしてるけど、私たちは必要ないわ」
「なるほど、でこれからどしたらいいわけ?」
「とりあえず、今日の宿が問題ね。それと、私のことは華奈恵で構わないわ。“契約”したから、一応私があなたの下につくことになるから。変に年上だとか思わなくていいわ」
「了解。なら俺も蒼慈でいいよ。いつまでも“あなた”じゃ居心地が悪い」
「わかったわ。じゃあ、宿を探しましょうか、さっきドラゴン倒した時に鱗剥ぎ取っといたから、それを売って宿に泊まりましょう。」
そして、二人はドラゴンの鱗を換金できるところを捜しに行った。
ちなみにドラゴンの鱗は一枚50銀貨で売れ、合計4枚あったため会わせて2金貨になった。
そして、そして、宿代は一晩飯つきで、2銀貨だった。
「わりと良いホテルだから、一拍2,3万はするとして、1銀貨1一万くらいかな?てことは、1金貨が100銀貨だから・・・100万?あれ?ドラゴンの鱗一枚50万て・・・高いな。
2金貨てことは、俺日給200万?・・・あれれ?なんか金銭感覚おかしくなりそう・・・」
蒼慈はぼやきつつ布団へと潜った。
もちろん華奈恵と部屋は別々である。
主人公のチートさはまだまだここからです(笑)
文章をうまくまとめられなくてなんかズルズルといきそうですが・・・
温かい目で見守ってくださいOTL