序章
とりあえず、序章・・・
体に感じるのは浮遊感。
下へ下へと、空が遠くなっていく。
青い、青い空。雲ひとつない空。
「あぁ。まぶしいな・・・」
太陽が目の片隅に入り日光が自分の体を照らす。
心地よいと感じられるこの感覚、耳の横では風の音だけがする。
…あぁ、落ちてるんだな俺。落ちて・・・
「ぇ?ぁれ?え・・・うわぁぁぁぁ!!落ちてる!落ちてるよ!!」
空中で体を捻り体の正面を下に向ける。
眼前に世界の光景が広がる。
緑が多い。
日本のどこぞの田舎のような景色だ。
ただ、何故か神秘さがあり、それに圧倒される。
「すげぇ・・・・ってうわぁぁぁ!!!!地面!地面!!死ぬ!死ぬってコレ!!」
地面までは後、約500メートルほど。
重力加速度を9.8と考えて初速度は0。
いわゆる自由落下。
y=1/2×g×t×t
これに代入すると・・・
「大体t=10sくらいか・・・ふっ」
この物語の主人公死亡まであと10s。
「か、カウントダウンはいりまぁ~す」
若干涙目。
「10、9、8・・・」
眼前に迫る地面を凝視しながら、カウントしていく。
自分の死ぬ瞬間に目を瞑るなんてことしたくないから、目の前を凝視しながら死を覚悟していく。
そもそもなんでこんなことに・・・
時はさかのぼっ
---ドォォン!
る暇はなかったけども、一応回想へ。