第23話 天城悠真はお返しをしたい
ホワイトデーが近づいた3月。
学園ではバレンタインのお返しムードで、男子たちがそわそわしている。
生徒会室で、ホワイトデー関連の軽いイベント調整中。
一ノ瀬がキャンディを食べながら。
「ホワイトデー、お返し何にするの~? 会長、副会長に何か特別なのあげちゃえば?」
佐藤がニヤニヤ。
「だな。お返し渡すタイミングで『付き合ってください』って言っちゃうかもよ」
神崎がくすくす。
「凛ちゃんのバレンタインチョコ、義理って言ってたけど本命っぽかったよね。お返しで会長、本気出したらどうする?」
凛がクールに資料をめくりながら。
「……お返しは義理で十分よ」
でも、視線が俺にチラリ。指先で資料の端を軽く叩き、唇を噛む仕草。
俺は内心で計画。
(……凛のチョコ、絶対本命だった。お返しで動揺させて、言わせるチャンスだ)
澪が凛の横で小声で。
「凛様、お返しで相手が攻めてきそうですわ。警戒を」
俺はイベントの準備をしながら、タイミングを狙う。
当日、ホワイトデー交換の軽いイベント後。
生徒会室で二人きりになったところで。
「……これ、お返し」
小さな箱を渡す。中は手作りクッキーと、手紙。
手紙には「バレンタイン、ありがとう。いつもそばにいてくれて嬉しい」と書いてある。
凛の目が少し見開く。箱をそっと開けて、手紙を指先でなぞるように読み、頰をぽっと赤らめて目を逸らす。唇を軽く噛んで深呼吸。
「……ありがとう、天城くん」
凛がクッキーを一つ取り、口に運ぶ。目を細めて小さく頷き、指先で口元を拭う仕草。
「……おいしいわ」
俺が少し笑って。
「まあな。味見してくれて嬉しいよ」
その時、部屋の外で。
学園の別クラスカップルがお返し交換して。
男子が女子に手作りケーキ渡して。
「これ、俺の気持ち。付き合おう」
女子が感動して「うん……付き合う!」って答えると、二人でお互いの手を取って指絡め。
周囲から微笑ましい視線。
凛が自分の腕をぎゅっと抱きしめて、唇を噛む。目を逸らして小さく息を吐く。指先が軽く震えている。
俺は拳を軽く握りしめて、深呼吸。
イベント終了後、二人きり。
「……お返し、ありがとう」
凛が少し照れくさそうに、指先でスカートの裾をいじりながら。
「ああ。チョコのお返しだよ」
俺が返すと、凛が目を細めて。
「……来年も、期待してるわ」
凛が自分の頰を軽く叩いて取り繕う。
本日の勝敗
メイン:天城悠真の勝利
サブ:別クラスカップルの勝利(手作りケーキ指絡め作戦)
だから、天才たちは今日も楽しく意地を張り続ける。




