第16話 藤宮凛はグループを同じにさせたい
文化祭の余韻が残る中、11月に入り、学園は修学旅行の準備でざわついていた。
行き先は京都。2泊3日の伝統行事で、自由行動の日もある。
生徒会は旅行中のイベント調整を担当。クラスごとのグループ分けも決める。
生徒会室で、メンバー全員が地図やスケジュールを確認中。
一ノ瀬が地図を広げて興奮気味に。
「修学旅行、自由行動で寺巡りとかどう? でもカップルは隠れスポット探しちゃうよね~」
佐藤がニヤニヤ。
「だな。夜の旅館で部屋割りミスったら、会長と副会長が同室とかになったら伝説だぜ」
神崎がスマホで京都のスポット検索しながら。
「凛ちゃん、京都の隠れデートスポット知ってる? 会長と二人で抜け出せば、絶対いい雰囲気よ」
凛がスケジュール表をめくりながら、クールに。
「……自由行動はグループで行動よ。抜け出しは禁止」
でも、視線が俺にチラリ。
(……修学旅行で天城くんと一緒のグループになったら、イチャイチャみたい。私だって二人で寺巡りしたり夜に話したりしたいのに……はあ、付き合ってくださいって言っちゃいたい……あー、もう言っちゃおうかな……いやいや! 言ったら負けだわ! しっかりしなさい、藤宮凛!)
俺は内心で警戒。
(……こいつら、グループ分けで俺に凛と同じグループ言わせようとしてるな。逆に、凛から同じグループ希望させれば勝ちだ)
澪が凛の横で小声で。
「凛様、グループ分けはチャンスですわ。相手から希望させましょう」
俺はわざと提案。
「グループ分け、藤宮副会長と同じグループでいいか? 生徒会として調整しやすいだろ」
凛の目が一瞬泳ぐ。
「……別に、いいわよ。効率的だし」
(……同じグループ希望されちゃった。でも、こっちから言ったわけじゃない……はあ、天城くんと修学旅行一緒なんて、絶対楽しいのに……イチャイチャしたい……いや、耐えなきゃ!)
周りが「おおー!」とどよめく。
佐藤が大笑い。
「決まりだぜ! 修学旅行で二人きり行動とか、絶対あるよな!」
その時、廊下で。
学園の別クラスカップルが旅行の話で盛り上がってる。
男子が女子に突然手紙を渡して。
「修学旅行で一緒に回ろう。この気持ち、受け取ってくれ」
手紙はラブレター。女子が読んで赤くなって「うん……好き!」って答えると、男子が優しく手を握って額にキス。
周囲から拍手。
生徒会室のメンバーたちが窓から見て、どよめく。
一ノ瀬が「きゃー! 手紙に額キス!」と興奮。
俺の内心。
(……手紙で決着に額キスか。ロマンチックだけど……俺にはできるわけねーじゃん。そんな甘いこと、凛にできないよ)
凛の内心。
(……手紙に額キス……すごいわね。私だって天城くんから手紙もらったら、喜んで付き合うのに……はあ、イチャイチャしたい……あー、もう言っちゃおうかな……いやいや! 言ったら負けよ! しっかりしなさい、藤宮凛!)
グループ分けは決定。
修学旅行が近づく中、二人は互いに期待と葛藤を抱える。
会議が終わって、二人きり。
「……修学旅行、楽しみね」
凛が言う。
「ああ。京都、いいところだろ」
俺が返すと、凛が少し笑って。
「……一緒に、回れるといいわね」
(……一緒にって言っちゃった。修学旅行で二人きりになったら、絶対言いそう……でも、相手から言わせるわ)
(……凛と同じグループ。言いそうになるけど、耐える。これは俺の勝ちだ)
本日の勝敗
メイン:天城悠真の勝利
サブ:別クラスカップルの勝利(手紙額キス作戦)
だから、天才たちは今日も楽しく意地を張り続ける。




