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第15話 藤宮凛は文化祭で煽りたい

文化祭当日。


聖凛学園は朝から人で溢れ、校内は笑い声と歓声でいっぱいだ。


メイド喫茶と執事カフェのコラボブースは大盛況。行列ができ、写真撮影の列までできている。


俺は執事服で、凛はメイド服で接客中。


「お客様、ご注文は?」


凛が完璧なメイド口調で対応。フリルが揺れるたび、周りから「かわいい!」の声が上がる。


俺はトレイを持ってテーブルを回る。


「ごゆっくりおくつろぎくださいませ」


二人で並んで動くと、客から「本物のカップルみたい!」って声がかかる。


休憩時間、二人はブースの裏で少しだけ休憩。


他のメンバーは別のブースを手伝いにいってる。


凛が水を飲みながら、俺を見て少し意地悪く微笑む。


「あらあら、天城くん。そんなにじっと見つめて……とっても可愛らしいこと」


俺がドキッとして。


「え、何が?」


凛が目を細めて、上品に煽る。


「そんなに私と付き合いたいんですか? だったら、そう言えばいいじゃないですか」


(……言っちゃった! 煽っちゃった! でも、こっちから言ったら負け……はあ、イチャイチャしたい……あー、もう言っちゃおうかな……いやいや! 言ったら負けだわ! しっかりしなさい、藤宮凛!)


俺の心臓が跳ねる。


(……凛のこの煽り、反則だろ。可愛すぎて、言いそうになる……でも、ここで言ったら負けだ)


俺は平静を装って、逆に煽り返す。


「藤宮副会長こそ、そんなメイド姿で俺を誘惑して……そんなに俺と付き合いたいんですか? だったら、そう言えばいいじゃないですか」


凛の頰が一瞬赤くなって、目を逸らす。


「……ふん。言わないわよ」


(……煽り返された。嬉しいけど、負けられない……はあ、イチャイチャしたい……)


その時、ブースの前で。


佐藤のバスケ部仲間カップルが並んでいて、男子が突然女子の手を引いて。


「もう我慢できない! 文化祭終わったら付き合おう!」


女子が赤くなって「うん……付き合う!」って答えると、男子がその場でハグしてキス。


客や周りの生徒から大歓声と拍手。


俺と凛は裏からそれを見て、固まる。


俺の内心。


(……またハグキスで決めちゃうのか。確かに大胆だけど……俺にはできるわけねーじゃん。そんな公共の場で、凛にできないよ)


凛の内心。


(……ハグにキスまで……すごいわね。私だって天城くんにハグされたら、喜んで付き合うのに……はあ、イチャイチャしたい……あー、もう言っちゃおうかな……いやいや! 言ったら負けよ! しっかりしなさい、藤宮凛!)


澪が少し離れたところで観察して、ノートにメモ。


「サブバトル: バスケ部カップル勝利。公開ハグキス作戦、成功率97%ですわ」


文化祭は大盛況で続き、二人はブースを切り盛り。


互いに煽り合ったり甘い状況を作ったりしながらも、決着はつかず。


終了後、片付けで二人きり。


「……今日、楽しかったわね」


凛が少し疲れた笑顔で。


「ああ。コラボ、大成功だ」


俺が返すと、凛が目を細めて。


「……また、来年もやりたいわね」


俺が頷いて。


「……ああ。来年も、一緒に」


凛が少し照れくさそうに微笑む。


(……来年も一緒にって、言っちゃった。来年こそ、天城くんから「付き合ってください」って言わせてみせるわ)


(……来年も凛と一緒に。来年こそ、凛から「付き合ってください」って言わせてみせる)


本日の勝敗

メイン:引き分け

サブ:バスケ部カップルの勝利(公開ハグキス作戦)


だから、天才たちは今日も楽しく意地を張り続ける。

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