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第二十五話 夜明けの決戦

 

 視界がねじれたかと思うと、次の瞬間には港の一角に立っていた。

 巨大な船体が並ぶ造船所。鉄の匂いと潮風が入り混じり、鎖や歯車のきしむ音が響いている。


「ここが奴らのアジトよ!」

『おいおい、いきなり飛んだな……』

 悟空が苦笑しながら棒を構える。


 その言葉を待つかのように、闇の中から黒ずくめの一団が現れた。

 数十人はいるだろう。手に刃や棍棒を握り、無言のまま一斉に突っ込んでくる。


「まとめて片づけるぞ!」

 クラマが声を張り、剣閃を走らせた。


 廃材を蹴散らしながら乱戦が始まる。

 悟空の棒が唸りを上げ、敵の列を一気になぎ払う。

 船体に吊られた鎖を叩き切り、重い鉄板が落下して敵を押し潰した。


「邪魔だ、どけぇ!」

 左膳の斬撃は梁ごと敵を断ち割り、木片と共に黒ずくめを吹き飛ばす。

 高笑いが響き、敵兵は恐怖に足をすくませた。


 クラマの剣は風のように滑り込み、敵の刃を絡め取って逆に喉元へ突き立てる。

「立ち塞がる者は、斬るのみだ!」


 その背後で、三蔵ちゃんが祈りの言葉を紡ぐ。

 光が奔流となって広がり、迫る十数人を一瞬で霧散させた。


 造船所全体が怒号と破砕音に揺れる。

 だが仲間たちの猛攻の前に、黒ずくめは次第に数を減らしていった。


『まだだ、もっと来るなら来い!』

 悟空が叫び、棒を床に叩きつける。

 衝撃波が走り、敵の群れをまとめて吹き飛ばした。


 残党は散り散りに逃げ出し、やがて造船所に静けさが戻る。


「……終わった、のかな」三蔵ちゃんが小さく息をつく。


 そのとき。

「お、おーい! みんな無事かよ!」

 物陰から、ちょび安が顔を出した。

 埃まみれになりながら駆け寄ってくる。


「おまえ……どこに隠れてやがった」左膳が呆れ顔をする。


「へへっ、怖かったから……でも最後はちゃんと出てきただろ!」

 

 そのとき、東の空がわずかに白み始めた。

 夜明けの光が造船所の影を払い、長い戦いの終わりを告げる。


 三蔵ちゃんが振り返り、微笑んだ。

 そしてショウタを真っ直ぐに見つめる。


「次は……高校で会おうね、カツラギショウタ君」


「えっ……!?」


 ショウタが驚いた瞬間、視界は光に包まれた。


西遊後記 〜転生したら悟空だった件〜

ちょっと短いかもしれませんがこれにて終了です。

約一ヶ月お付き合いいただきありがとうございました!

少しでもお楽しみいただけたなら幸いです。


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