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アールグレイの日常  作者: さくら
アールグレイの生活
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成果

 本日の成果、キャベツ3、ハクサイ2、カブ1、ニンジン1。


 野菜の話ではない。


 全部怪異の通称だ。


 怪異とは、変異し腐れ果てた概念が腐魂と融合した成れの果てだと言われる。

 地獄に堕ちるか天国に昇天すれば良いものを、中途半端に概念を創り、利用したことで、概念自体に取り込まれ、輪廻の輪から外れ、永遠にこの世を流離い怪異となる。

 何しろ概念というものは、創ったものに返るものらしい。

 利用したものに寄ってくるらしい。


 概念を、私利私欲の為に、若しくは自分の主張を他人に強制する為に、利用すると概念は変質(腐れ)するらしいのだ。


 栄華を極めた超古代文明は、このせいで滅びたらしい。

 事実に即さない誤魔化しが、堂々と正道を歩むようになれば社会は、それゃ滅ぶだろう。


 一人一人が、責任を取ろうとせず、利益だけ享受する社会を何とか支える貴徳な人達がいたとしても、もって100年…。


 この世界は、一度滅びるべくして滅びた。


 人類一人一人が、現実の事実に即した判断と強い覚悟を持った決断を身につけなければならない。


 弱さを武器にしてはいけない。

 弱さを武器にすれば、それは一人歩きして、化物となって戻ってくるだろう。そう、あなたのもとに。

 そう、学校の教科書に、書いてありました。


 よって、議会では、この言葉を使えば正義の側に立てるような言葉、概念は、変質概念要注意単語として指定されます。使用禁止はされません。言葉狩りになってしまい、それもまた概念の変質になりますから。

 最終的には、言葉ではなく行動と覚悟が問われます。


 あくまでも、現実、事実に沿っているのが重要視されました。なにしろ文明崩壊してからは人類存亡の危機でしたからね。

 でも昨今、少し余裕が出来たのか、多少そのたががはずれたような気がします。





 2日目の夜、焚火を皆で囲んで、夕食とする。

 今日は、何とカレーだ。肉はウバ君が冷凍にしてくれてました。私の中でウバ君の株が上がった。

 冷却系の魔法も習得しようかな。かなり役に立つぞ。

 

 「どうぞ、軍曹殿。」

 「うん、ありがとう。」

 夢がまた一つかなった。これがキャンプカレー。

 ぼっちではなく、仲間とカレーを食す。

 我、満足なり。


 ジーーン。


 「軍曹殿、さめますよ。」

 ハッ、ウバ君の言葉に我に返る。

 感動に浸り切ってしまった。

 いざ、いざ、カレーライス食す。


 美味し。

 おお、カレーの地平が見えた気がした…。



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