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アールグレイの日常  作者: sakura
アールグレイの冒険
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休養日

 疲れてたようで、夕飯のキーマカレー食べた後、ペンペン様に「少し寝るね。」と断り、横になったら、次の日まで寝てしまった。

 どうやら、僕の身体は、相当疲れてたようだ。


 いけない。今世では身体を大切にしようと決めたはず。

 今日は身体を労い、運動は軽めにして、身体を休ませよう。

 うん、そうしよう。


 ギルドへの報告は明日でいいや。


 ご飯はペンペン様が炊いてくれていた。

 ありがとう、ペンペン様。

 ゴロゴロして寝ているペンペン様に手を合わせる。

 感謝の心で、合掌。


 野菜スープを作る。


 たしか、セロリが残ってたな…。


 冷蔵庫の中の雑多な野菜を少しずつだけいただく。

 セロリ、白菜、生姜、牛蒡、大蒜、馬鈴薯、人参、ソーセージを4本入れ煮る。鳥ガラスープのモト、胡椒、塩で味を整え、荏胡麻油、胡麻を入れ、卵と刻んだセロリと葱を入れ、しばし待つ。

 冷蔵庫からドクダミ茶を入れて、テーブルに出して置く。

 スープ皿に、ほんの少しご飯を入れておく。

 卵が半熟になったら掬って、ご飯の上に置く。

 それからスープをたっぷりと掛ける。

 

 テーブル前にスープを持って行ったら、ついさっきまで微動だにせず寝ていたペンペン様が既にテーブル前でスタンバイしていた。


 さあ、ペンペン様、召し上がれ。


 いただきます。合掌。

 結果として助けてくれた黒山羊様にも感謝の念を送る。


 熱いうちに一口食べる。


 むっ、美味し。


 そう言えば、漆黒に染まった髪は、元には戻らなかった。

 これは呪いなのか加護なのか良く分からないけど身体に異常は無い。だから、まっ、いっかと思う。


 人事を尽くして天命を待つ。

 なるようになるしかないや。


 モグモグ…美味し、美味し。


 ぷはー。幸せです。



 食器を洗い乾燥機に掛ける。


 食後は、しばし休憩だ。


 30分後、活動開始。

 食器洗い、お風呂洗い、掃除機を掛けようとすると、乱雑に散らばった本が目につく。

 僕の趣味は、今世も読書。

 本棚に入りきらない本が、部屋のかしこに散らばっている。

 良い本は、また読みたいし。まだ読んでない本は、そのうち読みたい。タメになる本は、いつかジックリ読みたいし、くだらない本は、笑いたいときに取っておきたい。

 選別の為、中身を見る……

 

 ハッ、いけない。

 読み始めたら、一日が終わってしまう。


 仕方なく、本を隅に積み上げる。

 上から順に、カーテンレール、机、カウンターの上を布巾で拭く。最後に掃除機を掛ける。


 回り終えた洗濯機から、洗濯物を取り出してベランダに干す。天気が良い。快晴だよ。

 さあ、外に出よう。


 ヨシ! ストレッチをしてから、遅いスピードで土手を走り始める。

 風が冷たい。

 脳内でメロディを再生しながら、走る。

 一歩一歩を意識しながら走る。

 地面の今足裏のどの部分が接地しているのかを意識して走る。

 軽く、1時間半位10km走って帰ると身体が暖かくなった。

 軽く、素振りを300回10セット。

 軽く、筋トレだ。腹筋、背筋、スクワット30回10セット。


 ……。


 今日は、休養日なので、軽くここら辺で止めておこう。


 家に帰って、シャワーを浴びてから、パスタを茹でる。

 今日は、納豆明太子スパゲッティだ。

 超簡単、のせるだけだ。パスタの中央に納豆、周りに明太子と胡瓜を細切れにして散らす。

 挽き割り納豆の上に、刻み大葉、海苔をのせる。

 完成。テーブルに持って行く。

 

 今しがたまでゴロゴロしていたペンペン様が、テーブル前に当然のようにスタンバっていた。


 いただきます。合掌。


 納豆と明太をパスタに絡ませて一口。


 美味し!

 ペンペン様も食べている。


 美味しいよね、ペンペン様。


 えっ、飽きたって?

 じゃあ、ペンペン様作ってよ。


 えっ、美味しいって。そうでしょう。うんうん。

 

 食後、食器を洗って乾燥機に掛ける。

 


 窓際でウトウト…。

 意識を思考の海にダイブ。

 枠、先入観や決め付け、ルール、常道、全て外す。

 自由だ。

 普段、知らずに縛られていた意識を自由に戻す。

 行動や言葉にすれば、問題有り有りでも内心ならば問題ない。先入観や決め付けも悪いものではない。長年の経験から導き出した常道であり、正解に辿り着くショートカットであることが多い。

 しかし、それは時代に沿わないものや固まりすぎて逆に役に立たなくなったもの、長年の蓄積により過多になり窮屈になったりする。あるいは傲慢や高慢に変質してることがある。自分では気づかない。

 だから、偶に外すのだ、それらの枠や網を外すのだ。

 知らないうちに、他人の思惑に染まっていたり、他人の意図の網に掛かっていたりする。

 意識を子供の頃に戻して、それらをすり抜けていく。

 一旦全部外す。

 

 ……。

 

 もちろん子供のままでは、今を生きるのに支障があるので、再設定するのだ。

 整頓するのだ…保留…邪魔…貴重…大切…ゴミ…不要。

 仕分けして、要らないモノは捨てる。

 特に傲慢に変化した責任感、他人に対する嫉妬に該当する、誤魔化している、隠れている感情、先入観は、探して見つけ出し、真っ先にに退治する。


 感謝の心と言うライトで見つけだしていく。


 自分の心の中の探検だ。

 その過程で、思い出していく、楽しい思い出。

 まるで探検の途中で、見つけだした宝箱のようだ。


 ふと気が付くと一時間以上経っていた。

 心も身体もスッキリした。


 伸びをする。

 身体を振るわす。

 身体を解していく。

 身体の動作確認。

 そう言えば、前にギャルさんに見られて時は、「アールちゃん、なんだか猫みたい…。」と言われたことがある行動様式だ。

 深い意味は無いです。


 時間は、午後2時を回っている。

 あっ、買い物行かなくては。


 近所のスーパーにペンペン様を抱えて行く。

 ペンペン様は、歩くのは好きと言いつつ、あまり歩かないのだ。

 スーパーに着き、ペンペン様を放し飼いにすると、お菓子売り場に一直線に向かって行く。


 ペンペン様を見送り、僕は、食材の足りないものの補充だ。

 味噌、オリーブ油、海苔、パスタなどの食材をカゴに入れる。

 えーと、あと洗剤と、歯ブラシの予備はあったよね…。

 ペンペン様が、戻ってきてカゴにお菓子やジュースを入れた。見ると、まるで一仕事終えた顔をしていた。

 2階から1階に降り、葉野菜、馬鈴薯、玉葱、トマト、ブロッコリーをカゴに放り込む。


 生鮮売場に、マグロの赤身がある。

 美味そ…。

 ペンペン様、今日の夕飯は、お刺身と豚汁で良いですか?

 脇を歩いていたペンペン様に聞くと、ペンペン様は、「よかろう。」と鷹揚に頷かれた。

 聞くことは大事なことだ。省略してはならない。

 ペンペン様は一言居士なのだ。


 豚肉、納豆、牛乳、豆腐をカゴに入れる。

 ペンペン様がいつの間にか食パンを持ってきている。


 ペンペン様、あっちに高くて美味しい食パンありますよ。


 えっ、高いからいいって。

 変なところで遠慮するんですね。僕、食パン買えるくらいは稼いでるから大丈夫ですよ。

 ペンペン様は、「そうなの?いいのかしら?本当に買っていいの?」って嬉しそうな顔をして僕を見てくる。


 いいよ。いいよ。

 僕が、食パンを交換してくると、嬉しそうにしている。


 ちなみにペンペン様は喋らないので、ペンペン様の言葉は、表情や仕草から僕が勝手に脳内変換してるだけだから、本当のところはわからない。


 帰りはペンペン様も歩く。

 僕の両手は、買った食材等で塞がってるからね。


 まだまだ寒い。

 午後になり陽が陰ると、めっきり寒くなる。

 風が吹くと尚更だ。


 嬉しそうなペンペン様と歩く。

 寒いけど、心は暖かい。

 ペンペン様、僕の所に来てくれて、ありがとう。

 たぶん、これが幸せなんだ。


 暦の上では、二月も後半。

 三寒四温を経て、これからは、だんだんと暖かくなっていくだろう。

 もうすぐ、もうすぐ春だ。


 自宅に戻る。

 珈琲豆を挽いて、珈琲を入れる。

 ペンペン様は、珈琲牛乳だ。


 部屋内に珈琲の香りが漂う。


 干していた洗濯物を取り込んでたたむ。

 早めに夕食の支度に掛かる。

 刺身と豚汁なので、超簡単、省略。

 漬物を切っておく。


 浴槽に湯を溜める。


 頭と身体を洗い、お風呂にゆっくりとつかる。

 あー、温泉に行きたいなぁ。

 前世では、たまに行けた。

 今世では、都市部以外は廃れているので、行くのも命懸けだ。今世では、唯一これだけが不満が残る。

 いつか皆で行きたい。

 ん…知り合いを集めれば、結構可能かも知れないぞ。

 うーむ。


 のぼせないうちに上がる。

 ペンペン様がお風呂に入っているうちに、夕飯の支度だ。

 と、いっても、ほぼできているので、テーブルを拭いて、豚汁に火を掛け温めておく。

 ペンペン様が、お風呂からあがるのを見計らって、漬物、ご飯、豚汁、刺身を出していく。


 夜の帷が落ちる頃、夕食だ。


 食べ終えた後、食器を洗い、乾燥機に掛ける。

 もちろん、ご飯は美味しゅうございました。

 お百姓さん、豚さん、魚さんに感謝だ。

 黒山羊様にも感謝の念を送る。


 黒豆茶を飲みながら、本を読む。

 マツシタナントカノスケの檸檬のカバーの本だ。

 最近、古代遺跡から発掘されたデータを元に復元された一冊だ。


 ふむふむ…。




 眠くなって来たので、床に着いて、灯りを消す。


 明日はギルドに行かなくては… … …。

 …ペンペン様、お休みなさい。

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