表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アールグレイの日常  作者: さくら
アールグレイ士官学校入校する
604/615

出会いは突然に…④

 (….風呂場で無防備な女の裸体を撮影しな…キチキチッ、キキキッ。写真を見せて、公開されたくなければ言うことをきけと…あの女を脅せ…)

 耳元から、妙な声が聞こえた気がした。


 思わず周りを見渡す。

 …

 明かりがついてるのに、黒い霞がかかったように、部屋が暗い気がした…この部屋には、私と、怪訝な顔をしたバーレイしかいない。


 …気のせいか?


 だが、突如閃いた今の考えは、素晴らしいものに思えた。


 男として人として、紳士としても相応しくない最低最悪のアイデアだが、仲間のためならば、自己犠牲も厭わない彼女に対し、まさしく有効な手段だと腑に落ちた。

 …本来ならば人でなしの許されない鬼畜な所業…たが、目的のためならば、手段を選ばない方針を選択するならば、彼女の弱点を突く妙手と言える。


 たとえ私が、不名誉な泥に塗れようとも、彼女を手に入れるならば、(あたい)千金の価値がある。

 これぞ光りの教会が、推奨する自己犠牲の精神ではなかろうか?!

 彼女の幸せのために、その彼女から一時的に恨まれたとしても、手に入れてから大事にすれば、私の気持ちは、きっと分かってくれるだろう。

 (…そうさ、オマエ正しいサ、正しい行いは報われるのだ…チキチキパカパキラ…ウェッケケケ)


 私は、天啓の如く閃いた妙案を、バーレイに披露する。

 アイデアに驚いたバーレイの顔が、成功確率の高さを物語っていた。

 …いける。

 これで彼女を手に入れることが出来る。

 束の間、幸福感に酔いしれる。


 ああ、そうだ!どうせなら、被写体の女どもも芸術的に撮ってやろう。

 それならば、被写体の女達も喜ぶかもしれない。

 超古代時代では、裸も芸術の一環であるとして、デッサンや撮影が行われたという。

 たしか、超古代末期に作られた撮影機材が、我が家の倉庫に眠っていたはず。


 …直ぐに連絡して、持って来てもらおう。



 (……ケケケケケッ)


 何処からか、笑い声が聞こえた気がしたが、幸福に酔いしれた私には気にはならなかった。

 きっと壁の向こうの住人に違いない。


















 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ