復活のThursday
あわわわわ!?
僕は、飛び起きた。
自分の息遣いが荒くて頭の中は混乱状態。
しばらくすると、段々と記憶が甦ッてきて、現在の状況も把握できて、ドキドキも落ち着いてきた。
ここは士官学校の寄宿舎の部屋の中の自分のベッドの上、士官候補生課程を履修するため夏期講習中であること。
少し前に開催したダイバ祭は、いろいろとあったが無事に終わったこと。
そして、昨日の午後、老カンパネルラ先生から、魔法の歴史の圧縮学習させられ、寝込んだ。
それらの記憶が、ポツポツと浮かび上がって
きたのだ。
ああ…ならば、夢でありましたか?
それにしても夢見が悪いです。
自分が死んだ夢など、見るものではありません。
しかも、やけにリアルでした。
気がつけば、全身が汗でビッショリで気持ち悪いし。
ベッドから起き出して、窓のカーテンを少し開けて、外を覗き込む。
…
うむ…いつもと変わらぬ、士官学校の寄宿舎からの風景である。
既に夏の陽射しが強く地上を照らして、外は明るい。
蝉の鳴く、蝉時雨も変わらない。
よく見ると、路面が濡れてます。
雨が降りましたか?
んん…そう言えば、今朝は雨でしたか?
振り向いて、室内を見れば、ラピスがお腹を出して、手脚を投げ出して寝ていた。
「姫様…なんか奢って…おなか空いたー…。」
なんて寝相が悪い…ある意味ラピスらしいけど。
僕のベッドに視線を向けると、ベッドの足元付近で、ペンペン様がスピスピ寝ていた。
そしてイビキと同時にお腹が鳴っていた。
…
ペンペン様、あなた、寝ながらお腹すいたと主張してるの?
窓を開ければ、お陽さまが中天を指している。
雨が上がって、すっかり良い天気です。
陽射しが眩しい。
ガサガサッと音がして、木立ちの枝葉から何か飛んで来た。
アッ、シロちゃんだ。
シロちゃんは、僕を見つけると、飛行コースを変えて、僕の頭の上に上手い具合にストンと不時着した。
カリカリ木の実を齧る音がしている。
そうか、そうか、自分でご飯を調達してきたのですね。
…逞しいなぁ。
僕らが考えるよりも、生き物は逞しい。
僕がシロちゃんを飼っているのではなく、シロちゃんからしてみたら、僕は旅路の途中に立ち寄った旅籠みたいなものかもしれない。
うーーん、僕も、そろそろお腹すいたかな?
「ペンペン様、ご飯食べにいくよ!」
僕の呼び掛けに、ペンペン様の眼がカッと開き、ムクリと起き上がる。
おお…起きるとは思ってましたけど、本当に起きました。
僕らは、連れ立って食堂に向かった。
何はともあれ、まずは食べるが肝心なのです。
睡眠欲を充足した後は、食欲を満足させなければ…