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一回目のEnd
反逆者とされ悪しき魔女と言われた女の墓の前には、いつの間にか置かれた花々があり、その墓前の前で、魂が抜けたように佇むペンギンがいました。
すっかり憔悴しきったそのペンギンは、いつまでもいつまでも、その場所にいました。
見かねた、そのペンギンを知っている者が餌をあげても、首を振り、食べようとはしませんでした。
…
日々が経ち、ある日の朝、スッカリ痩せ細ったペンギンが墓前の前で、事切れている姿が発見されました。
発見された時、ペンギンと、いつも一緒にいた白いモモンガが、光りの玉と姿形を変え、名残惜しそうに二、三度、ペンギンと魔女の墓の上を周回すると、西方の森林に囲まれた山々の方へ飛んで行ったとのことです。
人々は、主人と同じ墓に、そのペンギンを埋葬したという。