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アールグレイの日常  作者: さくら
アールグレイ士官学校入校する
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お祭りTuesday❶

 私の名は、エミリー・タウンゼント・ハーニー。

 この美貌と有能さが、嫡子のいない遠縁のハーニー伯爵の目に止まり、地獄のような底辺から這い上がって来た。

 

 私は、このチャンスを逃しはしない。


 この美貌と愛想で、周りを騙し続けて、我が世の春を謳歌してみせるわ。

 だけど、そんなヒロインの私の前に、強敵が立ち塞がったの。

 その子の名前は、アルフィン・アルファルファ・アール・グレイ。

 悔しいけど、隠形の術式を掛けられていてもわかるあの煌めく美貌は、この私をも認めざるを得ない。

 ムキー!ムカつくわ。

 あの女は、私のような苦労もせずに、あの可愛い顔と男好きする身体を駆使して、周りの男どもを籠絡して楽に生きてきたに違いないわ。

 だって、時折り見せるあの女の笑顔は、女の私でさえドキッとするほどで意識しないと言えば嘘になる。


 更にあの透き通るような、天上の調べを思わせるような銀鈴を転がすような声は、心の清らかさを体現してるような…嘘、嘘よ、私は騙されないわ。

 きっと、あの可愛い顔の裏で、油断した私を追い落とす算段をつけてるに違いないわ。

 だって、私だったら、そう考える。 

 

 ああ…まさか、こんな冒険者ギルドの士官学校で、同タイプの人生戦略を取っている者と、かち合うなんて…こんな直近で同じタイプがいたら、私の影響が薄れてしまうじゃないの。

 その証拠に、苦労して獲得した私の取り巻き達でさえ、あの子の方を見てデレっとダラしない顔をしているのを、チラホラ見掛ける。

 …許せないと思う。

 

 私の縄張りを荒らす不届き者には退場してもらわなければならないわ。

 何も、誅する必要はないけど、そうね…私に匹敵するあの可愛さは、どうしようもないけど、一つ二つ恥をかいてもらって、ただの顔が可愛いだけの弱いお馬鹿さんだと評価を下げてもらうだけでいいわ。

 だったら相対的に、私の評価が上がるでしょう?


 私にライバルはいらないの。

 私の幸せの為に堕ちて行くといいわ、アール・グレイ!

 自分の幸せのためなら、私は何でもする。

 その為の努力は惜しまない。

 

 人生のレールは、泣いても祈っても切り替わることはないのは分かっている。

 愚痴を言っても何も始まらない。


 それに、自分自身の幸せって、自らの手で勝ち取るものでしょう?





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