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アールグレイの日常  作者: さくら
アールグレイ士官学校入校する
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お祭りTuesday③

 あー、楽しかった。

 

 シレーヌさんとアリスとは同居室で一緒に生活している仲間だけれども、僕が忙しいこともあって、入学以来これまで、それほど親しくはしてこなかった。

 だから、実は声を掛けるに勇気がいったけど…勢いで誘って良かった!


 講習生は、40人と少数なれど、一人一人が高性能高機能の人間が数人集まり、真剣に臨んだだけで化学反応的に成果が華開くような目を見張るような催し物ばかりで、正直驚きました。

 講習生主催のは全部廻らせていただきましたが、特に魔法の得意な講習生たちが催していた[幻惑の館]には僕にない新鮮さを感じて感心しました。

 これはビックリハウスの体裁をとってましたが最先端魔法の粋を結集したシロモノです。

 使える…人の感覚を、光りと音、触覚や匂いまで騙すほどの幻惑魔法…現実と区別ができないほどのリアリティは、僕のℹ︎魔術、ℹ︎武術を補強できるかも。


 僕は弱いので、最先端を試みて、役立てば何でも取り入れなければ、確実に周りに負けてしまうだろう。

 うんうん…リスク、損は覚悟の上で、怖くて震えながらでも進まなければならない。

 僕の少ない容量内での話しですが。


 …僕は自分の限界を知っている。


 キャパは限られているので、怪しい話しには絶対に乗らない。

 それらを除いても、挑戦すべき事柄は星の数ほどあるから、何ほどのこともない。


 ススメ、ススメ、前を臨みて進むのだ〜♪

 未知なる道を、先頭で、見晴らしよろしと感じ入る

 全速全身ゆっくりと光りの速度で歩むのだ〜♪


 すっかり機嫌良く、二人と歩きながら内心で自作の喜びの歌をフムフム歌い上げる。

 アッと、ストップです。

 気が付けば、二人が止まって、ある小屋の方を見て話しをしている。

 小屋の入り口上に、[占いの館]と看板が掛けられていた。

 「占いの館…て、当たるのかしら?アリス。」

 「確か、隣室のラーヴェさんが星見とタロットを駆使して、結構的中するとかしないとか?!噂話しを聞いた覚えがあります。シレーヌ姉さん。」

 ああ…女の子は、占いが好きですよね。

 そう、今世でも占いは廃れていませんでした。

 

 前世の殺伐とした記憶の影響からか、僕自身は占いには頼らないと決めている。

 占いの真贋に関係なく、自分の人生は間違ったとしても自分の責任で決めるものと、人生を全うした前世の自分に感銘を受けたからであります。

 うんうん…人は、かくあるべし。

 …

 でも、実は占いは、好きであります。

 だから、僕も二人に近寄って話しにまざる。

 「どうする?寄っちゃう?今なら空いてますよ。姫様。アリス。」

 「私は、占いなどは信用してないですけど、シレーヌ姉さんや姫君様が入るなら、付き合いますが。」

 僕は、無言で頷いた。


 あらら、シレーヌさんが乗り気で、アリスは占いには懐疑的なのですね。

 小屋は小さく地味で目立たない、立地も人気の少ない辺鄙な場所に建てられている…まるで、人が来ないのを望むように。

 しかも、隠形の術まで、掛けられていた。

 …僕らには通用しなかったけど。

 拒まれれば、何故か入りたくなるのが人情です。


 こうして僕らは、シレーヌさんを先頭に怪しげな暖簾をくぐり抜け中に入った。






 

 




 

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