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アールグレイの日常  作者: さくら
アールグレイ士官学校入校する
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エトワールの大予言

 祭りの本番当日が来た。


 既に、警備態勢は万全で、有事の際のチャート作成とか、シュミレーション訓練、関係各局との根回しも気がつけば、終わっていました。

 エトワールやアレクサンドリア様に言われるまま、アチコチ挨拶しまくって、現場に出動して鎮圧して、学生の本分まで果たして、メチャクチャ忙しかった。

 分刻みで行動し、お風呂には入れず、シャワーで済まして、夜は沈むように熟睡した。


 でも、そんな私より、悠然と紅茶を嗜むアレクサンドリア様や、会社の試用で昼休みにチョコパ食べてるエトワールの方が、秒刻みのスケジュールで忙しいのは、分かっている…多分、忙しいはずだ。


 エヴァも監察の仕事は、一時中断、アチラコチラと私と被らない所で、或いは時には一緒に行ったりして挨拶と根回しをした。

 催しとは何事も、計画9割、実施1割だと言う。

 つまり、本番前には事の成否にかかる段取りは、ほぼ終わっている。

 あとは、実行するだけ。


 エトワールに言わせると今回の祭りの計画と準備は、パーフェクトだと宣言した。

 だから、今日、それぞれ担当した自分の役割りを果たせば、自動的に成功だ…そうだ。

 アレクサンドリア様も、宣言したエトワールの横で扇子で口元を隠しながら優雅に笑う。

 両者とも、私達お務めはもう果たしましたわ感、満載です。


 疲弊して足元に崩れ落ちている僕に向かって、エトワールはしゃがんで肩をポンっと軽く叩いた。

 「計画は完璧、だからアール、あとのアクシデントは頼んだぞ。」

 えー!!

 聞けば、二人は事前にやるべきことは全部果たしたが、当日、つまり今日は役割りが決まっていて、自動人形のように動くだけで、身動きができないそうだ。

 僕とエヴァは、フリーにしてあるので、祭りを楽しみつつ、臨機応変に事に当たれと支持された。

 

 そう?何も起きなければ、お祭りを楽しめば良いのか?それならば…


 「アール、絶対に予想外のアクシデントは必ず発生すると思ってくれ!祭りの成否は、それをどうおさめるかに掛かっている。…頼んだぞ。」

 エトワールが真剣な眼差しで断言して来た。

 アレクサンドリア様が、その横で頷いている。


 ドヒャー、なんて嫌な予言をするんだ。

 適材適所とはいえ、嫌な役回りです。

 考えこむと、胃が痛くなるので、エトワールの大予言は、一先ず忘れる。


 せっかくフリーだから、ショコラちゃん達を誘ってお祭りを楽しもう。




 

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