表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アールグレイの日常  作者: さくら
アールグレイ士官学校入校する
502/617

蝉の鳴く頃②

 今日は一日中超忙しかった。


 カリキュラム詰め込み過ぎて、消灯直前に急いで歯磨きする始末。

 

 部屋長のメリーさんのお休みの声に、それぞれが返事をして布団に入ると、消灯時間が来て明かりが消えた。


 暗闇の中で微睡みながら、今日一日を復習する意味で考える。


 因みにペンペン様達は、言われなくても自主的に

既に寝ている。

 この子達、魔法生物は、自主自立自尊を地でいく生き物です。だからか大抵は早寝遅起きで睡眠時間が長い。作業途中でも身体優先なのかパタリと電池が切れた様に寝る。はたして生物固有の習性なのか、固別の習慣なのか分からないけど…ペンペン様は常に自由だ。その根性がブレることはない(断言)。

 素晴らしい。

 流石、ペンペン様だ。

 尊敬できる生き様です。

 これぞ、真に自由な生き方だと思う。


 ペンペン様達のことはともかく、今日僕は忙しくて気が立ってる時に、気が逆立つようなことを平然と言われたとはいえ、エトワールの食べていたチョコパフェを勝手に食べてしまった。


 ※(そのパフェのチョコは痺れるほどにエッジの効いた甘さで、前世でも食べたことがないほどの美味さが脳天を突き抜け、幸せ感が半端なかった!もしかしたら男女では、味覚に差異があるのかもしれない。特に甘味には!)


 しかし、今、落ち着いて思い返せば、僕のやってることはチョコパフェ強奪である。

 …ひどいことしてしまった。

 エトワールだって、僕の雑用の何倍も処理しているし、余裕そうに見えるだけで忙しい中、チョコパフェを食べるのを楽しみにしてたに違いない。

 …

 胸がズキンと痛む。

 少しだけ、後悔…鼻の奥がツンとなる。


 んんッ、チクショー。

 唇を噛み締めて小さく呟く。

 エトワールのくせに僕にこんな思いをさせるなんて、こんなことなら…半分譲ってあげれば良かった。

 チョコパ本当に美味しかったし。

 

 欠伸を噛み殺すと涙が出るってよくあるよね?

 目元が潤んだので指でぬぐう。


 よし、今度会ったら謝って、奢って貰おう。

 ん?僕にこんな思いをさせた慰謝料です。

 そして、もちろんエトワールの分は、僕がお詫びに奢るのだ。

 脳内で、無理くり問題解決したので、安心して眠りにつく。



 何処からか牛蛙の鳴き声が聴こえて来た。

 近くの池で繁殖したらしい。

 窓が全開なのでボオボオ五月蝿いなぁ…。


 密閉して熱帯夜になるよりマシだけど…夜風からは潮の香りがした。

 

 エトワールが独り月に向かって哀しそうにボアボア言ってる夢を見た。















評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ