蝉の鳴く頃
次の日から、正規のカリキュラムが始まった。
ほぼ分刻みでスケジュールが進んでいく。
終業時には課題を出され、当然締切りがあるから課外でも消灯時間まで休んでいられない。
しかも討論会や演技式まであるので、段取るだけで面倒事です。当然個人課題は後回しか、切れ切れの隙間時間でやるしかなくなる。
延灯は可能だがお勧めはしない。
朝早いからだ。
とにかく時間内で、結末を着けなければならない能力が、ここでは要求されるのだ。
僕の事務処理能力が高速回転し過ぎて擦り切れそうです。
ああ、せっかくショコラちゃん達とアハハ、ウフフな学生生活を夢見て、ちょっとは期待していたのに、階級から学生副総代に指定されたので、雑用で風呂や食事の時間も削られている。
風呂は平日シャワーで済ませ、食事はミルクセーキの一気飲みで朝昼は終わらせている。
…
昼休み、課題の多さと雑務の忙しさにバタバタしてると、総代に指定されたエトワールが余裕そうに喫茶室でデザートを食べていたの見かけたので、コツを伝授してもらおうと、その場で詰め寄り質問したら、突然現れた僕に驚きながら「…そんなものはない。準備力とココの差。備えあれば憂いなし。」と頭を指差しながら澄ました顔をしてたので、ムカつきて食べかけのチョコパフェを取り上げて一気喰いして…(美味い!)…返してやった。
呆然としているエトワールを尻目にして、急いで立ち去る。
むむ…約40秒の遅れです。
エトワールの相手をしている時間はないのだ。
校内は、駆けてはいけないルールなので、早足で次の課題完遂に向けて動いていく。
早くしないと昼休みが終わってしまうのだ。
それにしても、チョコパフェは美味しかった…偶には身体にご褒美あげても良いのかもしれない。