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アールグレイの日常  作者: さくら
アールグレイ士官学校入校する
428/622

入校準備②

 教科書、資料を少しだけ、読んでみる。



 …



 太陽が、中天に至り、少し下がった辺りで、紙面に影が差し込み、目前にペンペン様が佇んでいるに気がついた。


 わっ!…ビックリしました。


 ジト目で、見られていました。

 「…ああ、お腹空いたのですね。ソーメンにしましょうか?」

 まだ、表情は変わらない。

 「ん…タンパク質が無いから、たまご焼きとベーコンも付けますか?薬味は大葉を切りましょう。」

 「…クェ。」

 ペンペン様は、僅かに満足そうに吐息を漏らすように小さく鳴くと、ノシノシと去って行きました。

 どうやら、僕が集中して動かないから、心配してお昼の催促に来たらしい。


 陽は下がり、あと半時もすれば、二つ目の時である。

 だいたい見通しは…つきました。


 確かに、ペンペン様ではないけど、気づけば僕のお腹も、空いている。

 僕は、鍋に水を入れてお湯を沸かすことにした。

 お昼のメニューは、先に言った通りのソーメンです。

 …簡単に済ませられるからお手軽なのです。



 …



 ペンペン様と一緒に、お昼を食べながら考えた。


 因みにシロちゃんは、取り分けた小皿から器用にソーメンを啜っている。

 うん…シロちゃんは、絶対魔法生物だよ。

 ソーメンを啜るモモンガは流石に自然界にはいない。


 資料は、果たして教科書の虎の巻だった…それでも一山出来ている。

 教科書を抜粋簡略化してるふうだけど、分かりやすく具体化、図面化したため、まだ理解出来そうな感じだけど、その分紙面が増えて、結局、量が教科書と同じくらいになっている。

 ツインタワーです。

 しかし、内容はダブっているので、その実態はタワー1つ分に減じる。

 …二分の一です。

 目前の現実は変わらないけど、双肩にかかる重みは、半分に減った気がします…気分だけだけど。


 とにかく、紙面だけなら、半日掛かって全体量は概ね把握した。

 …内容は、サッパリだけど。


 入学まで、もう10日間しかない。

 こんな状態で始まったら…皆に付いていけないよね。

 それが分かっただけでも進歩です。

 把握したから危機感を抱くことが出来たのだ。


 予習は必須事項です。

 事前情報なし、戦略戦術を練らずして戦端を開いたら、徒手空拳で戦うようなものです。

 そう言う意味で、僕の講習は既に始まっていると言える。


 前世の僕は、これを認識していなかった。

 これとは、全体の把握からの戦略・戦術と実践の着手…即ち、予習です。

 そして、前世では認識さえしないまま、何とか為してしまったのだ…なまじっか出来てしまったのが、良くなかった。

 僕は、最初に失敗すべきだったのだ。

 

 …


 だが、前世の失敗を反省した今世の僕は一味違う。

 完璧は求めない…量の多寡も関係無い、とにかく着手は早い方が良いと分かっている。

 先鞭を付けるのだ。

 嚆矢を放つのだ。

 早さが優先順位第一位である。


 しかし、日常も何より大切です。

 日常を疎かにしては、いけません。

 やるべきことはやります。


 …よし、食べ終わったら、食器を洗い、掃除機かけて、お風呂の浴槽洗ってから、洗濯物を取り込みたたんでから、軽く筋トレと10km走ってから…


 …戦略を練ろう。





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