散策
怖しい。
なんて怖しい刑罰なんだ。
クラッシュさんから[死刑以上]の説明を受けて思いました。
……なんてこと考えるんだ、昔の人は。
この刑罰を考えた人は、鬼畜だ。
きっと地獄に落ちていることだろう。
説明を聞いたギャルさんが、ウゲェっていう顔をしている。
まいった。僕も精神的に参ってしまった。
よって、一旦会議はお開き。
お昼ご飯に又集まろうとだけ決めて、解散。
邸宅内なので、常に殿下に着いているわけではない。
殿下は、部屋に居ますからと告げ、食堂を出た。
きっと何か思うところがあるのだろう。
ギャルさんは、宙を見上げて、考えこんでいる。
クラッシュさんの話が相当ショックだったようだ。
クラッシュさんは、珈琲をお替わりして、戸棚から出してきたクッキーをボリボリ食している。
メンタル強いよね。
食堂の窓を開ける。
冷たい冬の風が吹き込む。
こんなに良い天気なのに、風が冷たい。
庭で、素振りでもしようかと思ったけどやめた。
寒いし。
春はまだか
そっと窓を閉じた。
一枚上に羽織り玄関から靴を履き、庭に出る。
歩きながら考察することにしよう。
死刑以上の具体的内容は秘密ではない。
でも気持ちの良いものでもないので、今は考えない。
だが、クラッシュさんの話で、会長は生きていることは分かった。
正確に言うと刑罰を執行された時点では生きていた。
そして、今現在も、まだ生きている可能性が高い。
すると、どうするか。確実に恨んでいると僕は思う。
今も恨みながら苦しんでるに違いない。
その恨みの鉾先が何処に向かうか。
やはり[蜂]の依頼人に接触しなければ。
突破口は、やはりここにあり。
ここは、交渉人の出番ですよね。
昼の会議で、殿下に上申してみよう。
よし、ギルド経由でプロの交渉人に依頼しよう。
自分の手に余る時は、他の人に頼るのだ。
恥ずかしいことではない。目的達成の為ですから。
ところで、お昼ご飯も僕が作るの?




