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アールグレイの日常  作者: さくら
アールグレイの冒険
31/615

 ギャルさんが落ち込んでいる。


 「私は役立たず、私は役立たず、私は役立たず…。」


 おうっ、ギャルさんが、鬱めいてブツブツ呟いている。

 まるで、顔に黒の縦線が入っているかのような落ち込みようだ。

 時折り、こちらをチラチラ見ている。


 殿下がお茶を、飲みながら、アレ何とかしろと目で訴えかけてくる。

 

 今日は、護衛任務三日目。

 昨日、襲撃を無事にかわしてからは、再度の襲撃はなく、邸宅に戻って、夜の護衛はギャルさんに任せ、一旦、僕は自宅に帰った。

 ペンペン様がご飯を作ってくれていた。

 感動だ。

 お風呂に入って、ペンペン様と一緒に食べて、寝た。

 起きて、まずは皿洗い。ペンペン様は皿洗いは苦手なのだ。ペンペン様が寝ているうちに自宅を出る。

 

 邸宅に着き、居間に入っていくと、こんな状況であった。

 

 うーん。

 「ギャルさん、昨日襲撃してきたのは、多分、あれホーネット[蜂]だよ。一流の殺し専門組織で、成功率九割を越える。しかも、あれは蜂の中でもエース級の雀蜂の一人に該当してる。個体名通称[小雀蜂]、暗殺成功率98%の化け物です。ギルドに照会しての回答だから間違いないよ。僕達生きてるだけでラッキーだよ。ギャルさんが殿下に着いてたから集中して戦えたけど、もしギャルさんが居なかったら、僕負けてたかも。」


 「そーお?」

 少し嬉しそうに振り向くギャルさん。

 

 僕の言葉に、クラッシュさんも続けて言う。

 「うむ、それがしなど敵の姦計に引っ掛かってしまって、殿下の側を離れてしまった。ギャル衛士が殿下のお側に張りついてくれて本当に助かった。貴殿は衛士の鑑だな。」


 「そーお?」

 また振り向くギャルさん。

 顔がニヤついてるかも知れない。


 続いて殿下が言葉を紡ぐ。

 「ギャルは、立派に衛士の務めを果たしている。いつも私を守ってくれてありがとう。感謝している、ギャル。」


 「あ、殿下ぁ、…。」

 真心こもった言葉って、伝わるもんだなぁ。

 感動からかギャルさんの身体が震えてる。

 どうやら,立ち直ったみたいで、良かった良かった。


 「みんなぁ、ありがとう。」


 ギャルさん、お礼は良いけど、何故僕に抱きつくのさ?

 「ほら、だって、流石にクラッシュ様には抱きつけないし、殿下は主人で畏れ多いし、アールちゃんしかいないでしょう。」

 さいですか。


 …でも、ギャルさん。

 息を荒くして、あちこち触るのは止めてください。





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