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アールグレイの日常  作者: さくら
アールグレイの休日
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僕の休日(杏仁豆腐編)

 …途中今にも朽ち果てそうなトンネルを抜けるとシナガに着く。

 まあ、山を越えて降りることも出来ますが今回はトンネルを抜けてきました。

 

 なんだか懐かしい。

 僕は、ここに依頼を受けて来たことがある。

 悪性生物が襲来した時、緊急招集され、都市防衛の任務に携わった。


 ハッキリ言うと超最悪です。

 今でも思い出すとハラワタが煮えくり返る。

 何かムカつくかと言うと、商人風に例えて言うならば、司令部の無能、無責任、無策であるツケを現場が支払う構図にだ。

 漏れなく設計図を引いて滞りなく伝達し、調整せよと言いたい。

 其れこそが司令部の務めであろう。


 最前線で戦う僕らからしてみたら、前線を支える為に最大限の支援を期待したいのに、何故に司令部が前線の脚を引っ張るのか意味不明。

 それはまるで後ろから味方を撃つ行為。

 前世では、散々味わった感情を今世でも味わうとは無性に腹立たしい。

 

 当時の状況を考証すれば、如何様にでも言い立てることも出来るけども…言わない。

 …無駄だからだ。

 僕のような一庶民が言いたても社会に何も影響しないことは分かっている。

 逆に社会の迷惑になるおそれがある。


 だから周りには言わないけども、脳内では言いたててガス抜きです。


 愚痴とも言う。


 司令官の指揮決断について、不惑と他者の言葉に耳を傾けないことは、まるで意味が違う。

 諫言に耳従ってよ、意見を受け入れる度量が欲しい、慎重に判断して、それから果断に決断して指揮を執れと言いたい。


 司令部全体が無能なわけではあるまい。

 止めろよ!あの阿呆小僧司令官を。

 明らかに間違ってるのに誰も止めないってどういうこと?


 …


 そう言えば、あの金髪の小僧は、同僚の男の娘(おとこのこ)のお尻触るなどもしてた。

 犯罪です。

 でも…ププッ、残念、その子可愛いけど男ですよ。


 む!でも、もしかしたら両方いける口だったとか…?

 なんてことでしょう。…あの変態め!


 …



 懐かしい風景に当時の事を色々思い出し、プンプンしながら駅前を通り過ぎて海辺の方へズンズン歩き続ける。

 ショッピングセンター跡地の市場まで来たら、その周りには飲食店が何軒も軒を連ねていた。

 見かけたことがあるチャンポン屋の店名があるのに気がつく。

 僕は、ここのチャンポンではなくかた焼きそばが好き。

 もちろんチャンポンも美味しいけれども好みの問題です。

 しかし、今日はもうお昼ご飯は頂いております。

 ですから僕の目当ては、サイドメニューの杏仁豆腐であります。


 オヤツの時間には少し早いかもしれない。

 …けど、僕はブルーベリー杏仁をチョイス。

 美味しくいただくのだ。

 食べたい時が美味しい時…なのです。


 料金を支払い、店前にあるテーブルに杏仁さんを持って置き、椅子に座る。

 「いただきます。」

 手を合わせてから、一口スプーンに掬っていただく。


 む!…美味い、美味しい。

 ヒンヤリとして蕩けます。

 ブルーベリーも味にアクセントが付いて秀逸です。

 発明した中の国の人、ありがとう。

 ブルーベリーだけにベリーグッドです。

 良い仕事をしてるなと思う。

 …杏仁さんの事ですよ。


 胸中のモヤモヤが収まり、頭脳もヒンヤリ&甘味が行き渡り、スッキリ爽やかですから。

 フッ、やはりデザートは正義ですね…。

 杏仁豆腐5000年の味は伊達ではない。

 人類文明崩壊前から変わらぬ味に、良く生き残ってくれたと感謝の意を表したい。

 

 杏仁さんは、直ぐに姿を消した。

 あっと言う間であるのが少し哀しい。


 ユウハンゴニモ、ナニカデザートタベタイナ。


 デザートは一日一個の縛りがありますが、…運動すれば良いかもしれませんね。


 …そうでしょう?


 よし!しばしシナガを散策してエネルギーを消化してからデザートを買って帰ろうかな…ペンペン様も家に居るから夕飯時には戻ろう。

 偶にペンペン様が夕飯を作っている時がある。

 もしかしたらもしかするかもしれない。


 だとしたら、….ちょっと楽しみかも。



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