お風呂
初日、異常なし。
邸宅に戻り、ギャルさんは任務解除。
おそらく部屋に戻り、倒れるように寝るだろうと思うくらい、頭が揺れているギャルさん。
今まで一人で、お疲れ様でした。
僕は、殿下の部屋に残り、警護を続ける。
殿下から、一緒にお風呂に入ろうと誘われる。
僕も、女の子で生まれて18年経っているので、男であった意識は低い。
男であった記憶と思想は活用できるけど、僕の意識はあくまでも今世の女の子である僕なのです。
…などと、理論武装してみる…何故なら、今まで、実際女の子の裸を見たら、僕が、どう思うのか検証してないから、一抹の不安が残るのです。
…こんなこと、誰にも相談できない。
自分では、女の子の意識だから、殿下と一緒にお風呂に入っても大丈夫…なはずだ。
そう…僕が躊躇してるのは、ただ少し恥ずかしいだけ。
それに殿下は、まだまだ子供だし問題は無い。
…
お風呂に入って、スッキリする。
湯船に入ると、温泉気分で気分は上々です。
心配するような事は、全くなかった。
殿下を見ても、何も感じなかった。
うんうん…一安心です。
ん?…でも、もしかしたら殿下が、まだ子供だから?
…やはり、まだ安心は出来ないかも。
…やれやれ。
ちなみに今世のこの世界、水の値段は割とお高めである。
上水道が生きてるので都市では水が出るが、水道の水は飲まないほうがよいかもしれない。
水道管の交換作業が進んでないから、流石に鉛管は使ってないけど、飲むにお薦めは出来ない。
僕が水道水を飲む時には、結局、更に浄化している。
僕が自宅でお風呂に入るときは、魔法で水を出しちゃうこともある。
魔法と併用してます。
方法は、何事にも複数あった方が良い。
魔法は、本当に便利だ。
見えないエネルギーを、仮に魔力と呼び、内外の魔力を連動させて、現象化、物質化している。
脳を騙しての幻ではないかと言う説もあったが、紛れもなく現実であることが実証されている。
この世は、見えないエネルギーで満ちているのだ。
僕は、魔法を使わないと、間口が狭くなる感じがするので、日々の魔力通しは欠かさない。
身体を、ワザとゆっくり動かして、循環させる。
あと寝ながら瞑想とか。
キャン殿下のお願いで、一緒のベッドに入る。
たとえ、寝ている間に世界が滅んでも、今日は充実した一日でありました。
ペンペン様、ちゃんと夜更かししないで寝てるかなぁ…。
抱きついて来た殿下を寝かしつけて、僕も瞼を閉じる。
暖かい…子供を抱き締めると分かるけど、太陽のように暖かいのだ。
クゥクゥと小さい寝息を立てる殿下から、暖かさが伝わって来る。
…護る。
僕が付いている間は、誰にも殿下を害させないから。
ああ、どうか明日も、殿下にとって良い日でありますように。




