表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アールグレイの日常  作者: さくら
赤龍討伐
273/616

宴の後

 赤龍討伐の宴は終わり…後は寝るだけ。


 結界はクス姉弟が張ってくれた。

 うん…実に有能多才な姉弟であるなぁ。


 僕も常時searchを展開しているから、歩哨の必要はないが、老騎士らが熾火の番をしたいという。

 従士を含めた有志のペア五組で朝まで回したいと言うのだ。


 長年の習慣は抜けないし、危険な郊外で見張りを付けずに全員寝るスタイルは不安なのであろう。


 効率的ではない一見無駄と思える複数方法の採用を、僕は良しとしたい。その性質上、漏れはまず無い結界やsearchも必ずしも万全では無いからだ。

 よって僕は了承した。

 まあ、僕は第二の意識を起動し任せて、寝ちゃいますけど。


 さて、テントは3張りした。

 騎士用、従士用、クス姉弟用である。

 ジャンヌと僕はクス姉弟用のテントにお邪魔する。

 軍では男女関係無く雑魚寝するけど、わざわざ男女をバラす必要も無いので妥当だと思う。

 というより、アナスタシアから、アールグレイ様とダルジャン准尉殿は、こちらのテントをどうぞと招待された。


 中に入る。4人寝ても十分広い。

 他のテントは人工密集率は2倍以上あるので、この広さはかなりの贅沢。

 皆女の子同士なので安心して寝れるし。

 ああ、二ヤード君は、アナスタシアの弟だし、まだ子供なので大丈夫です。


 上着、ズボンと靴下を脱ぎ、シャツだけのラフな格好になる。

 下は下履きを履いてるので大丈夫。

 二ヤード君が、テントの出入り口で直立不動になっているのに気がついた。

 アナスタシアと絆を結んだからには、二ヤード君は僕に取っても弟みたいなもので、家族と同じと思っている。

 要は親戚の小さな子と一緒の感覚。

 ここは、年長者から打ち解けなければ…。


 僕からしてみれば、せっかく大好きなお姉さんと一緒の水入らずの所にお邪魔して悪いと思っている。

 トコトコと近づき、こっちおいでよと手を握り引いて誘う。

 頭を撫でて、服を脱がせてあげようとしたら、無言でアナスタシアの方に逃げて行ってしまった。


 …恥ずかしがりやさんですね。

 立場が逆の性別ならば、セクハラかもしれないけど、僕の今世の性別は女性で、二ヤード君は男の子だから問題は無いはず。

 クス姉弟は、見た目がソックリで二人とも見目麗しい。

 アナスタシアを少し小さくして眼鏡を取ったら二ヤード君になる。

 つまり小さいアナスタシアだ…可愛い。

 


 僕は年齢の割に見た目は幼い。

 胸を見る…うん、胸はそれなりに育っているというのに。

 だから、自分より小さい子は貴重であるので優しい気持ちになり、寛容なのですよ。

 二ヤード君は、まだ僅かに僕より身長が低いのです。



 毛布一枚借りて寝る。

 寝床は僕を中心に、左側にジャンヌ、右側にアナスタシア、その隣りに二ヤード君となった。

 最初、あわよくば子供の二ヤード君を真ん中にして抱き枕にしようと画策していたけど、本人から真ん中に寝るのは反対され断念する。

 むむ…もしかしたら僕のよこしまな心を察知されたかな。

 アナスタシアからも、苦笑しながら、やんわりと弟の好きにさせてあげて下さいと言われたので、先の配置となった。


 これは、多分あれだね。

 子供ながら、お姉さんを守る為に端に寝たいのだね。

 けして僕が嫌われてると思いたくはない。


 うんうん…分かるよ。

 僕も前世は男だから二ヤード君のお姉さんを思う気持ちは分かる。

 流石、小さくても男の子だ。

 その意気は良し。


 これからもお姉さんを守ってあげて下さい。

 僕も二ヤード君の家族思いの気持ちを尊重したい。

 でも二ヤード君、僕もこれからは家族だからね。

 お姉ちゃんと呼んでくれないかな…。


 横になり眼を瞑る。

 そんなことを思いながら、僕は眠りの底に落ちていった。



 

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ