表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アールグレイの日常  作者: さくら
赤龍討伐
249/616

激・赤龍討伐戦(玖)

 思考が加速する。


 撤退を視野に入れる。

 引際を違える指揮官ほど、無様なものはない

 味方への被害甚大であるから。

 脳内会議を緊急招集して決議する必要ありと判断。

 主要な四意識を呼び出す。


 [第一意識]が一瞬で現場を認識して解析、提示する。

 現場、20m級赤龍が大暴れ→周りの被害甚大なるも人の死傷無し。

 魔法騎士2名にて呪縛中→もはや長くは持たない。

 足元をレッド2名で斬りつけ中→微小の効果は有り。

 老騎士達で呪縛陣を補助→持っているのが不思議。

 遊兵は、老騎士1名、従士達→投入は無理。


 有効な作戦を提示できなければ撤退を勧告。


 [第二意識]が最悪の未来可能性を提示する。

 ブレスの命中率UP→老騎士ら、従士隊蒸発。

 呪縛破り→魔法騎士魔力切れ昏倒。

 赤龍飛び跳ね→レッド2名踏み潰され微塵子。

 自由となった赤龍上空から残りを各個撃破→怒りの赤龍トビラ都市へ。


 最悪です。無理。即時単独逃走を提案。


 [第三意識]が別角度からの認識を提示。

 殻に封印された未知なる強大な炎のエレメンタルを感知。

 紫線は、まもなく枯渇。切れます。

 殻の損壊打突特異点有り。


 現場打破の為の一点突破を進言。


 [第四意識]が今後の見通しを述べる。

 んー、何とかなる気がするし。

 やっちゃえ、やっちゃえ。

 赤龍の背中が煤けて見えますから。大丈夫。


 突攻です。突撃しかない。



 脳内会議は、撤退と更なる攻撃の同票で拮抗した。

 有事の際の指揮権の僕への委譲は、戦闘前にアナさんから確約を取ってある。

 呪縛と回避でイッパイイッパイのアナさんでは、現状の指揮は無理。

 つまり、あと選ぶのは僕の自由な意志次第。

 僕の意志決定で未来が決まるのだ。


 決断を下すのは怖い…今でも慣れることはない。


 出来得るならば逃げ出したいと思う。

 しかしながら、長年の経験から言わしめると心理的な逃げの方向を選ぶと後悔する確率は高い。

 つまり、この場合は決断するが吉。

 決断の保留はマズイ気がする。


 目が霞む。油汗が滴る。

 心臓の鼓動を感じた。強く脈を打っている。

 …考える時間はもう無いのだ。


 僕は決断を下した。

「撤退する!従士隊、迫撃砲用意、煙幕弾撃て!」

 …生きてさえいればなんとかなる。

 まずは、生き残るこてが先決なのだ。

 逃げる。一人も死なせやしない。

 誰も犠牲にはさせない。


 運命?宿命?


 虚空に向かい憤りを放つ。

 思い通りにはさせない。

 誰かの思惑には従わない。

 この戦いには、虚空の遥かな先からの悪意を感じます。

 或いは上から目線的な何かを。

 気のせいかもしれないけど、今はそう思い込んだ方が精神衛生的に良し。

 この御礼は、いつかお返し申す。


 

 およそ予定していた大きさの身長二倍の赤龍の討伐。

 体積比8倍ですよ。

 冷静に普通に考えてみれば、軍隊か正規の騎士団でなければ討伐不可能です。

 即時撤退事案です。

 どうやら僕も頭に血が昇っていたらしい。


 不測の事態に遭遇したならば、まずは撤退を第一に考えなければ。



 


 

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ