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アールグレイの日常  作者: さくら
赤龍討伐
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夏の眠り

 スゥーと眠りに着く。

 最低限の警戒は、第二意識だけに任せて、全部OFFにする。


 意識が底に落ちる。

 fall downです。


 …


 …


 落ちる…落ちる。


 ゆっくりと、落ちていく。


 …


 スルスルと、下へ下へ落ちていき、もう、落ちているのか上がっているのか分からなくなる位、落ちた頃に、フワリと底に降りたった。


 ああ、自分が寝ていることが分かる。

 暗がりの、自分を柔らかく包み込む布団のような暗渠にはまっているような感覚…。


 このまま、数億年、人知れず、捨て置かれるのも悪くはないかな…とも思う。

 或いは、世界の終わりまで、寝ているのも…。



 …



 …



 無限の数多ある思考が、思惑が、僕を何度も透過して錯綜してる気がする感覚。


 ああ…なるほど…。


 世界とは、こんな風に創られていたのかと、世界の裏側を垣間見た気がして腑に落ちる。


 

 この時、声が聞こえた。

 僕に対し、呼びかける声が。


 暗がりに響く、男とも女ともつかない声。

 

 …刮目して見よ



 …刮目して見よ


 無視して、寝続ける。僕は眠いのです。夏眠、暁を覚えずなのです。

 だいたい、声の主は、僕の深層意識だと思われるので、無視してもよいのです。

 僕に伝えたいのなら、もっとハッキリ、具体的に言って欲しい。


 …刮目して見よ



 …集え、集めよ、12の衛星を

 …備えよ、来るぞ



 …刮目して、見よ



 僕の注文に、呼応するように、割と具体的な伝達事項が来たけど、それでも、あやふやな予言なみ。


 集え、集める12の衛星って何?比喩ですよね。

 何に対し備えて、何が来るの?

 何を刮目して見るの?


 疑問が多々あります。

 もっと具体性を、要求するであります。


 … … …。


 すると、世界が静かになった。

 意識が浮上し始める。


 フワフワだ。


 上方に光りが見える。


 僕の意識は、急速に、光りを目指して上がっていく。



 いや、僕は、もっと具体性のある回答をだね…。

 ちょっと、待ってよ。おーい!







 瞼を開ける。眩しい。…元の景色だ。

 僕は、ベンチに座っている。

 あちらこちらから蝉の声が、うるさい。


 元の世界に戻って来たと思う。

 …ジワッと汗をかいていた。


 一息つく。


 端末の時刻表示を見ると、10分と経っていない。

 分かっている…僕は、寝ていただけ。


 しかし、予言のような助言は、幻では無く本物だ。

 何かが来るのに、備えよと言っていたが…。



 クゥ、クゥと声がするのに気付く。

 横で、ペコちゃんが、僕にもたれかかるように寝ていた。




 …もし、その何かが、幼な子に害なす存在ならば…駆逐せねばならないだろう。



 

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