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アールグレイの日常  作者: さくら
天竺行路
222/617

会離

 僕のバカンスは、終わった。….まあ仕事なんだけどね。

 終わる時は、本当に呆気ない。

 

 あれから皆んなでお昼ご飯食べて、バスに分乗して帰った。

 夕方になる前には、ギルド本部に着いてしまった。

 測量結果は、ロッポ中尉が作成してくれるし、全体的な報告書は、エトワールが作成してくれるってゆうから、僕はやる事がない。

 よろしくお願いしますと、二人と別れる。

 

 名残り惜しい気持ちは、あるけど、皆とお別れです。

 これからは、別行動です。

 私用の連絡先を交換しあう。


 ショコラちゃんが、別れたくないと泣いて抱きついてきた。

 このままでは帰れないので、ジャンヌとアンネに腕を掴まれ、連行されていった。

 男子達とは、抱き合うわけにはいかないので、握手でお別れする。

 僕の手が、小さくて柔らかいと驚かれる。

 皆の中で、どんだけゴツいイメージされてるのだろうか?


 「師よ、いつか道場を立てて迎えに行きますから。」

 レイ曹長よ、期待しないで待ってます。


 「おう、俺も、対等になったら迎えに行くぜ。それまで待っててくれ。」

 クール曹長、待ちませんから。


 「もう、貴女とは、二度と会いたくありませんが、色々とお世話になりました。」

 うんうん…君もお疲れさま、フォーチュン曹長、皆のレッド合格よろしく頼むよ。


 「じゃあ、またな…。」

 ルフナ曹長、さようなら、またね。

 …


 …ルフナさん、手を離してくれないと帰れませんが。




 バイバイと、皆に手を振って、別れる。

 そして、僕一人だけになった。

 一人になるのは、いつもの事だから、寂しくはない。



 …キュッと、頭の上で鳴き声がした。

 僕が此処にいるよと存在を誇示している。

 あっ、シロちゃんがいたね。ごめんごめん。

 一緒に家に帰ろうか?




 …





 「ただいまー!」

 元気良く声を出して、自宅の扉を開けて中に入る。


 あれ…これは、なに?


 中は、戦場のようだった。

 な、な、なにこれ?

 まるで、泥棒に入られたように、あらゆる物が散乱し、中に入りこみ台所を見ると、シンクは使い終わった食器で埋もれている。

 戸棚には、ほぼ食器が無く、台所の至る所に鍋やフライパンが放置されている。

 室内は足の踏み場が無い。

 ゴミを捨ててない。袋が山となっている。

 掃除など一回もしてないのだろう。

 埃が溜まっている。


 しばし、…茫然とする。




 ハッ、ペンペン様は?ペンペン様は何処に?無事?


 居間では、テレビがついていて、ハン国ドラマが映し出されている。

 その前に、ゴミに埋もれながらペンペン様が、テレビを見ていた。

 「ペンペン様、無事ですか?」

 ゴミを掻き分けながら、近づいて声を掛けた。


 「キュウ?クウー。」(お腹空いた、ご飯まだ?)

 一瞬だけ、こちらを向くも、直ぐにテレビドラマを見始める。


 良かった、無事だ。

 いつものペンペン様だ。

 横に、空になった蜂蜜の瓶が転がっている。


 「御免なさい、ペンペン様、直ぐに台所片付けたら、ご飯にしようね。」

 待っていてくれた。


 「ペンペン様、只今帰りました。」

 待っていてくれる人が居ると嬉しい…ペンギンだけど。



 

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