今日の夕飯は豚汁食べたい
ムニャムニャと幸せそうにロッポさんが僕の背中で寝ている。荷物と大人の男を一人で、約120kgを背負って走るのは結構良い鍛錬になります。
滞りなく、夕方前には、ハクバ山頂に到着しました。
一旦荷物を降ろして、汗を拭きつつ、水分補給。
流石に、少し疲れました。
「ふふふ…ケイちゃん、そこはダメだよ。うーん。」
なんか…横から聞こえて来た。
ロッポさんのお宅は、家庭円満らしい。
喜ばしいことだ…でも少しイラッとする。
これから下りで、大荷物を背負って走るのは難しいかも。
ロッポさんと、荷物を見比べる。うーん。
確実にロッポさんの方が重そうだ。
水を飲みながら、考える。
…
結局、余分な荷物を山頂に置いていくことにしました。
明日には、拠点を、この山頂に移すので問題は無いはず。
小ぶりのテントを張り、荷物を中に入れる。
周りに、結界を張りて終了。
耳目に意識を集中する。
時は、夕暮れ前の静けさが漂う。早めに降りた方が良い。
天候は良し。雲は、ほぼ無し。良かった。
身体に不調は無い。
うむ…万全である。…黒山羊様に感謝を。
ロッポさんを背負子に座らせて、縛る。
落ちないように、ギュと念入りに縛るべし。
他意は無い。
よし!
準備完了。
僕は、ロッポさんを背負い、下りを駆け下りて行った。
途中、空腹を覚える。
タンパク質食べたい。
…
朝、軽運動中に事故死した猪を思う。
僕の予感では、夕食は、多分、豚汁ですね。
想像するだけで、お腹鳴りそう。
あー、僕、今、とってもお腹空きました。
今の僕を邪魔する者は、皆、地獄に堕ちるべし。
気合いと集中で走る。
…
山の日没は、早い。
麓に着く辺りで、既に薄暗くなっていた。
既に空は、黒の斜線を引いたよう。
早めに降りて来て正解でした。
人は、基本、夜間には活動出来ない。
明かり一つ無い山の中だと、それが分かる。
それにしても、暗がりからは、灯りが良く見える。
バス停に設置のキャンプ地の灯りだ。
この人跡未踏の地で、彼処だけが、人類の生きられる場所であるから。
例えれば、海原で港の灯りが見えた位の安心感です。
「帰って来ましたよ、ロッポ中尉。」
僕は、後ろに呼びかけた。