夢念夢想
寝て起きたら、全てが上手くいっていた。
そんな事を、たまに夢想する。
むろん、そんな事は現実には無い。
それでも、まずは夢見ることが理想を現実にする第一歩だと僕は思うのだ。
バスの中で、汗を拭き、着替えながら考える。
今回のミッションの裏目的は、ブルー達全員がレッドに合格すること。
その為に、ブルー達全員がレッド並の実力を身に着ける、若しくは、その芽を植え付けてやること。
青少年を導くのは大人の務め。
その過程で、ついでに皆と友達になれたら、嬉しいな。
僕も、今世では、皆と同じ青少年ですから、同年代、仲良くなれるかも。
今回のミッションが終わっても、一緒にお茶したり、映画を観に行ったり、旅行したりする間柄になったりしちゃって…。
裸になり濡らしたタオルで、身体を拭いていく。
替えの下着を身につけて、服を着る。
最後に清浄の魔法を掛けて終了。
魔法だけでも良いけど、精神的にはスッキリしないので、やはり下着ぐらいは着替えたい。
水を体内に補給する。
残るは、あと3人。
どうも、アクロバティックな技や新しい技には対応出来なく、直ぐ終わってしまう。
これではデータ収集に為らずと、エトワールからリテイクを言い渡されるかもしれない。
リテイクは嫌。
何となく、そう思う。
僕も反省はするのだ。
ならば、オーソドックスなスタイルで、戦おうではないか。
木刀を手に取る。
多分、柄物があれば何とかなる。何でも対応出来る気がする。
何しろ年季が違う。
前世から通算すると、半世紀はゆうに越えてしまう経験持ちです。
さあ、相手になりましょう。