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アールグレイの日常  作者: さくら
天竺行路
115/615

ブルー

 出発するに際し、人員は中型バス2台に分乗した。

 これは、もし1台がエンジントラブルなどで動かなくなった時の保険だ。


 積荷の大半は水と食料だ。

 僕は先頭車に乗る。

 何故かエトワールも隣に座る。何故に?


 スポンサーのエトワールを別にすれば5人乗車している。

 半分ずつ乗車だから、乗車完了かな。

 よし。出発だ。


 しばらく荒野を走る。


 割とアップダウンが激しい。

 …運転手のブルー、もし試験だったら減点ですね。

 まあ、試験でもなんでもないので口には出さない。


 僕、不親切かなとも思うが、自分で気づいて自分で直す分野であると思う。

 昵懇の間柄でもなければ指摘しない。

 何故なら指摘された方は、内容の正しさよりも距離感を優先するからだ。

 自分が信用する相手じゃなければ、内容の正しさを吟味することすらしないと思う。


 つらつらとそんな事を思いつつ、左の車窓から外を眺める。


 荒野の所々に朽ちた廃墟が、草や土砂に埋もれている姿がいくつか見える。

 自然と人工物との融合…歴史…時の流れ…昔の人々の営みが垣間見えるようで、ロマンだよね。素晴らしい。

 「まったくつまらん景色だ。何の価値もないな。揺れが激しいぞ、アルが壊れてしまう。なっとらん。クビだ。運転手は他と代われ!」

 僕の隣から怒鳴り声が聞こえてきた。


 僕の方を気にしてチラチラ見ているのが分かるので、絶対隣を見ない。

 僕、やっぱりエトワールとは気が合いそうにないよ。


 「一人で運転だと疲れるでしょう。順番に交代しましょうか。」と運転してるブルーに声を掛けると、蒼ざめた顔が、ホッとした顔に変わった。

 隣をチラリと見ると、エトワールが、ガーンとしたショックを受けた顔をしている。

 …知りません。

 ツーンと顔を背ける。

 「…何を間違ったのかしら。何を間違ったのかしら、ああ…何故、嫌われた?嫌われた?何故、何故、何故、何故…。」

 エトワールは、俯くと、ガクガクと震えながらブツブツ言っている。


 エトワールは、学生時代から、時々、こんな風になる。

 全く、雲上人の動向は理解不能だ。

 …まあ、僕には関係無いけれど。

 エトワールと会うのは、このミッションだけだから。


 運転を変わったブルーは、上手かった。

 ほぼ振動が無いが、スピードは出ている。

 この速度だと昼頃には、麓に着くかな。


 それにつけても、今回のミッションは、隊員が全員ブルーだ。なんて贅沢な。

 ブルーの依頼料は、ブラックの数倍。

 技量が全然違うからだ。

 僕でも全員倒すには手こずるかも。

 しかも、ここに居る全員、階級は皆星が三つだ。ブルーの最上位。

 しかもしかも、皆20歳代だ。叩き上げの若い超優秀人材が、このミッションに集結している。


 どう言うこと?

 情報が少な過ぎる。…分からない。

 偶然?…いや、分からない。



 

 …ひとまず保留です。

 

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